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注目のマイナポイント、その関連銘柄と株価の反応

7月からマイナポイントの登録予約がスタートしている。マイナポイントはマイナンバーカードを持っている人限定のポイント優遇策として導入された政府の普及策だ。マイナンバーカードの保有率は2020年4月時点で2割にも満たず、マイナポイントについても聞いたことがあるが良く知らないか、そもそも知らないという方のほうが多いだろう。

■マイナポイントって何?

マイナポイントとは、政府による消費刺激策としてのキャッシュレス決済に対してのポイント還元キャンペーンといえる。新たに「マイナポイント」という制度が出来るのではなく、消費者はマイナンバーカードを使って対象とするキャッシュレス決済を1つだけ選択し登録する。20年9月~21年3月末までに登録したキャッシュレス決済でチャージや買い物をすると対象額の25%、上限5000円分のポイントが付与される仕組みだ。

7月から始まっているのは、あくまでも予約で実際の利用は9月から。マイナンバーカードの普及促進を兼ねているため、同カードを使っての登録が必要となる。また、マイナポイントの還元は先着4000万人という枠が設定されており、その後の還元策などの可能性は十分あるものの、期間中に利用者が上限に達した場合は打ち切りとなる仕組みだ。

■マイナンバーカードは普及する?

2016年にスタートしたマイナンバーカードだが、これまではあまり普及が進んでいない。12桁の個人番号(マイナンバー)を記載したカードで本人確認書類として使える他、カードに入っているICチップにより、ネット上で「電子証明」の役目も果たす。今のところ、役所に向かうことなくコンビニなどで住民票を発行したり、子供手当の申請や10万円の特別定額給付金などの各種申請もスマートフォンやパソコンで完結できる。

ただ、それでも普及が進まない背景としてカードを持つことのメリットが感じられないという意見は多いようだ。筆者も話のタネに10万円の特別定額給付金の申請にマイナンバーカードをiPhoneで読み取って使ってみたが、利用できるブラウザに制限があったり使い勝手は改善の余地があるというのが感想だ。

その為、実際のポイント還元策としてのメリットを全面に打ち出したマイナポイントへの関係者の期待は大きい。キャッシュレス決済業者はマイナポイントを消費者の囲い込みの好機ととらえ、独自の上乗せキャンペーンを展開している。JR東日本の「Suica」はマイナポイントの申し込みに対して1000ポイントを上乗せしている。ソフトバンク系の「PayPay」はマイナポイントの申し込み者を対象に抽選で当選すると1等100万円など総額100億円分の大型キャンペーンを行っている。買い物の決済だけでなく、チャージをするだけでポイントがもらえるのであれば、マイナンバーカードを作ってみようかと考える消費者はある程度出てくると思われる。

■今後カードの利便性も向上

さらに今後は、自治体向けの電子申請などの他にマイナンバーカード自体の利便性の向上も期待される。21年3月から健康保険証の機能も付与される予定だ。健康保険証代わりになるだけでなく、オンラインでの資格確認がスムーズになったり、医師や薬剤師による服薬履歴の閲覧も可能になるオンライン診療や服薬指導などの場面でも活用されそうだ。

マイナンバーカードのICチップには電子証明に必要なデータのほか、空き領域が確保されており、民間事業者などによる活用が期待されている。たとえば、証券や銀行などのオンラインでのスムーズな口座開設や日本電気(6701)やNTT(9432)などでは、社員証として入退室管理にすでに使われている。

今後期待されている活用法として、カジノ施設への入場管理・依存症対策での活用やデジタル・ハローワーク、デジタル・キャンパスなどが挙げられている。

新型コロナウイルスの影響で非接触・非対面のニーズが加速したこともマイナンバーカードの普及を後押しするだろう。5日に生産された小池東京都知事は、公約としてタッチレスなどの「4つのレス」や行政のオンライン化を掲げており、普及に向けた施策は今後も継続するとみられる。

■マイナポイント関連銘柄 日本ユニシスやビックカメラなどに注目

コロナ後の経済のデジタル化や自治体のオンライン化などにより、マイナポイント関連とされる株は堅調に推移している。関連銘柄の平均75日騰落率※は平均33%で同期間のTOPIXの騰落率24%を上回った。


 ※ 7日7日終値時点での75営業日前からの騰落率

※マイナポイント関連銘柄一覧

マイナポイントの広がりは家電量販店やシステム、流通などの色々な企業に恩恵がありそうだ。クラウド事業に注力する日本ユニシス(8056)は、5月にデジタルマネーのオンラインチャージ・交換を可能とする価値交換基盤「doreca」のトライアル提供を開始したと発表した。同社は以前からキャッシュレス化への取り組みに注力している。

ビッグカメラ(3048)はコジマ含めたグループの約200店舗でマイナポイントの申請端末を店頭に設置し、マイナンバーカードの申請の支援も行い特需の取り込みを狙う。昨年にもPayPayなどの大型還元キャンペーンの開催時は家電量販店株は賑わいを見せた。

映像や音楽コンテンツ の管理・配信システムを手掛けるフライトホールディングス(3753、2部)は、6月23日に子会社のフライトシステムがマイナンバーカード読み取りに対応した新次世代型マルチ決済装置を開発したと発表され、株価はポジティブな反応を見せた。

その他、マイナポイント活用官民連携タスクフォースの民間構成員には、イオン(8267)、7&I-HD(3382)、JR東日本(9020)、KDDI(9433)などの流通、通信などの大手企業が名を連ねている。QUICK Market Eyes  阿部哲太郎)

 

著者名

QUICK Market Eyes 阿部 哲太郎


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