アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」シリーズ4本の純資産総額(残高)の合計が1兆円を突破した。3日時点の合計残高は1兆97億円だった(図1)。
■米ハイテク大手を組み入れ
同ファンドは米国の株式のうち、成長の可能性が高いと判断した企業に投資する。最新の月次レポート(6月30日時点)によると、マザーファンドは情報技術に27.4%、ヘルスケアに23.3%投資している。組み入れ銘柄数は56で、上位には米ハイテク大手が並ぶ。組み入れ1位はマイクロソフト(MSFT)、2位はグーグルの親会社アルファベット(GOOG)、3位はアマゾン・ドット・コム(AMZN)だった。
■毎月分配型のDコースが残高最大
シリーズ4本のうち、年2回決算型で為替ヘッジありの「Aコース」と為替ヘッジなしの「Bコース」は2006年5月に運用を始めた(図2)。14年9月からは、基準価額に応じた予想分配金をあらかじめ提示し、毎月払い出す「Cコース(為替ヘッジあり)」と「Dコース(為替ヘッジなし)」も加わった。4本中で残高が最も大きいのはDコースの5297億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)で6番目に大きい。野村証券や大和証券、SMBC日興証券などの大手を含め、幅広く販売している。
■運用成績が好調、資金流入続く
年初からの資金流入額(推計値)は4本合計で2500億円を超える。このうち半分近くがDコースに流入した。年初来リターン(3日時点、分配金再投資ベース)は4コースとも2ケタ台のプラスと好調で、S&P500種株価指数(配当込み、円換算ベース)のプラス0.7%を大きく上回っている。
予想分配金を提示する毎月分配型のCコースとDコースは、直近の分配金が1万口あたり200円だった。コロナ禍により基準価額が下落した3~4月は分配金の支払いを見送ったが、5月に100円、6~7月は200円を分配した。アライアンス・バーンスタインは今後の運用について、「引き続き当ファンドの投資哲学である、外部環境に左右されにくい『持続的な成長企業』を厳選した投資を行う」としている。
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)