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気候シナリオ分析は26%にとどまる―PRIが年次報告の分析を公表(レスポンシブル・インベスター)

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責任投資原則(PRI)によると、2020年の年次報告において、気候シナリオ分析を実施したと報告した署名機関は全体の26%にとどまったという。

PRIは2020年の年次報告より、署名機関に対して、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の報告フレームワークに基づき策定された気候関連設問のうち、「ガバナンス」および「戦略」設問への回答を義務付けた (公表は任意)。7月、PRIは署名機関の気候関連設問の回答状況について取り纏めた「2020 climate snapshot」を発表した。

署名機関のうち、2020年の年次報告で気候変動関連設問に回答した投資家は計2,097(うちアセットオーナーは443、アセットマネジャーは1,654、運用資産総額は97兆ドル)に上った。これは昨年(591)の3.5倍に達する。

気候変動関連設問に回答した署名機関が382と最も多かったのは米国だった。英国が330で続き、フランス(187)、オーストラリア(127)、カナダ(122)が上位5ヵ国に名を連ねた。日本では65の署名機関が回答し、10位に位置する。

署名機関全体で「ガバナンス」設問に回答したアセットオーナーは79%なのに対し、例えば、フランスと英国では、署名アセットオーナーの全てが回答したという。一方、定量的な情報開示を求める、「目標」に関する設問は全体として回答率が低かった。

今回の年次報告で、気候変動関連設問への回答内容を公表した署名機関は約20%にとどまった。更には、本年度の評価に関するPRIの分析では、「ほとんどの投資家にとって、TCFDの実施はまだ初期段階にある」と結論付けられており、署名機関のうち上位2つのカテゴリー(top two categories)に分類された投資家は8%未満であった。PRIは「Strategic」「Responsible」「Building capacity」「Aware」に署名機関を分類。「Strategic」の段階にある投資家は、TCFDに賛同し、取締役会が承認した気候変動計画を持ち、短期及び長期の気候リスクを考慮し、気候関連目標を公表していると定義。「Responsible」は気候変動対応を公表し、シナリオ分析を実施し、その結果を公表しているという。この「Strategic」と「Responsible」に分類される署名機関が全体の8%未満だという。気候変動関連設問の回答を非公開にした署名機関は、最もレベルの低い「Aware」に分類された。

※本稿は、レスポンシブル・インベスター(Responsible Investor)の掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳、編集したものです。同社は、ロンドンに拠点を置く、世界の機関投資家に向けた責任投資、ESG、サステナブル・ファイナンスを専門的に取り扱うニュースメディアです。

<金融用語>

PRIとは

PRI(Principles for Responsible Investment: 責任投資原則)は、2006年発足当時の国連事務総長であるコフィー・アナン氏が、世界の金融業界に向けて提唱したイニシアチブ。機関投資家が、投資の意思決定プロセスや株主行動において、ESG課題(環境、社会、企業統治)を考慮することを中心とした6原則とその前文から成るもので、2006年に国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)と国連グローバル・コンパクト(UNGC)が策定した。世界のアセットオーナー(Asset Owners)、運用機関(Investment Managers)、およびサービスプロバイダー(Professional Service Providers)にこの原則に対する署名を呼びかけ、2017年6月30日現在、アセットオーナー349、運用機関1,180、サービスプロバイダー224、総計1,753の機関(うち、日本は59機関)が参加している。

署名機関は専用のウェブサイトで様々な研究やキャンペーン、協働エンゲージメントなどの情報を利用することができ、より効果的、効率的な投資判断や行動ができる。署名機関には新規署名より1年経過後からレポーティングの義務が発生し、レポートはアセスメントによって評価を受ける。

日本の大きな動きとしては、安倍首相が2015年9月27日「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択する国連サミットの演説の中で、世界最大の年金積立金を運用する日本のGPIFが、このPRIに署名し持続可能な開発の実現に貢献することを表明した。この前後から日本でもアセットオーナーの署名が増加し、国内の責任投資推進のきっかけの一つとなった。

<告知>

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