QUICKが実施した3月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、米国で見直しの動きが出ているDEI(多様性、公平性、包摂性)やESG(環境・社会・企業統治)について、「日本での取り組みの縮小は限定的」と考える企業が多いことがわかった。
米国ではトランプ政権の発足に呼応し、アマゾン・ドット・コム、メタなどDEIやESGの取り組みを縮小する企業が相次いでいる。日本企業でも取り組みの見直しが今後進むと思うかを聞いたところ、「取り組みの縮小は限定的」との回答が最多の51%という結果になった。市場関係者を対象に実施したQUICK月次調査<株式>3月でもDEIとESGの見直しは限定的との声がそれぞれ6割を占めていた。
自由記述のコメントでは特にESGに関して「すでに企業の取り組みとして根付いている」「環境に対する取り組みは重要」との指摘があった。
非製造業では万博への期待度やや高く
4月13日から開催される大阪・関西万博についてどのような効果を最も期待するかとの質問に対しては、回答者全体では「あまり期待しない」が35%で最も多く、「日本の経済効果、景気浮揚」が29%でそれに続いた。ただサービス業などの非製造業だけでみると、2つの回答はともに3割強で拮抗していた。
回答者全体の方向性を大きく2つに分けると、何らかの効果を期待する企業が約6割、効果を期待しない企業が4割という結果になった。
製造業DIプラス16、2カ月ぶりの悪化 全産業は2ポイント改善
毎月定例の調査項目では、製造業の業況判断指数(DI)が前月調査から8ポイント悪化のプラス16だった。悪化は2カ月ぶり。全産業の業況判断DIは前月比2ポイント改善のプラス28だった。
調査期間は3月3日~3月12日で、上場企業209社が回答した。