長期国債の利回り予想が大幅に上昇した。QUICKが31日に発表したQUICK月次調査<債券>では9月末の新発10年国債利回り予想は0.024%で、2018年12月調査以来の高水準となった。来年にかけて国内総生産(GDP)はプラス成長が続くと見込み、日米で現状の経済政策が進む公算が大きいことなどが背景にあるとみられる。
回答者の7割は20年7~9月期の実質GDP成長率をプラスと予想する。このうち、10%以上の二ケタ成長を選んだ人は35%を占めた。20年10~12月期と21年1~3月期も0~10%のプラス成長を予想する人が大半だった。
調査は安倍首相が辞任を表明する前に実施した。安倍政権の終了時期を来年以降とみた人が半数だったが、退任後の経済政策を聞くと「現状維持」が84%にのぼった。米大統領選の勝者予想はバイデン氏が56%でやや優勢。米国が民主党政権となった場合の経済政策を聞いたところ、「積極財政」や「現状維持」が多数派だった。日米ともに政治イベントによる経済政策への影響は大きくないとみているようだ。
注目する債券価格の変動要因では「海外金利」がじわりと上昇している。注目度は2カ月前から2倍以上に膨らみ、25%で「景気動向」と同水準となった。注目度1位は前月に続き「債券需給」(31%)だった。
調査は8月25~27日に実施。金融機関などの債券市場関係者131人が回答した。
※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細は、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。