金融政策を決める日米欧の3月のイベントが終わり、市場関係者の関心は海外金利に移っている。QUICKが29日に発表した3月のQUICK月次調査<債券>では、回答者の半数が「海外金利」を債券価格の変動要因に挙げた。2012年8月調査以来、8年7カ月ぶりの高い注目度となった。
「市場の注目は再び米国金利の動向に集まる」(証券会社)など、米長期金利の上昇を変動要因とみる市場関係者が目立った。「米長期金利上昇及び円安ドル高の影響を受け、債券価格は下落」(信託銀行)や「4月以降、海外金利の上昇に沿って円金利の上昇も一定程度許容」(生保)と、金利が上昇(債券価格は下落)するとの見方が多い。
米長期金利の上昇が予想されるなか、米連邦準備理事会(FRB)はいつ利上げに動くのか。政策金利の引き上げ時期を予想してもらったところ、「2023年以降」が61%で最も多く、「2022年7~12月」が24%で続いた。「インフレ率の上昇が2%を十分に超えて持続しない限り、利上げに動くことはないと予想」(投信投資顧問)や「市場はすでに2023年中の利上げを織り込み始めている」(証券会社)といった声があった。
日銀が導入しているマイナス金利政策については、今後「撤廃」が67%、「深掘り」が33%だった。時期については撤廃、深掘りともに2024年以降の予想が最多となった。撤廃は2022年以降の予想が9割超で、深掘りは年内予想が2割に上った。
4月末の新発10年国債利回り予想は0.087%と、前回調査(3月末予想、0.11%)から0.023ポイント低下した。調査は3月23~25日に実施。金融機関などの債券市場関係者121人が回答した。
※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細は、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。