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どうなる米国株? 「さらに10%下落」「大騒ぎする話ではない」

記事公開日 2020/9/4 15:00 最終更新日 2020/10/10 23:15 米国・欧州 米景気 バリュー 米金利 ハイテク 米株 FRB QUICK Market Eyes

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【QUICK Market Eyes  片平正二、池谷信久】3日の米市場ではダウ工業株30種平均が一時、1000ドル超も下落するなどぬるま湯にあった投資家心理を冷やした。このまま下げ基調に転じるのか。一時的な調整にとどまるのか。市場関係者の見方は早くも割れている。

■エラリアン氏「さらに10%落ちる可能性がある」=CNBC

米債券運用大手ピムコの前最高経営責任者(CEO)で、現在はアリアンツの経済アドバイザーを務める著名エコノミストのモハメド・エラリアン氏が9月3日に米経済専門チャンネルのCNBCの「クロージング・ベル」に出演し、この日に主要指数が急落したことを踏まえ「もし人々がファンダメンタルズを考え始めれば、さらに10%落ちる可能性がある」との見解を示した。エラリアン氏は株式市場が米経済、恐怖指数のVIX、米国債、ハイイールド債と比べてかけ離れているとの見解を示し、「もし投資家がテクニカルからファンダメンタルズにマインドセットを変えた場合、さらなる下落が起こりうる」と先行きを慎重にみていた。

■米株大幅安「大騒ぎする話ではない」=SMBC日興

SMBC日興証券の野地慎氏はナスダック総合指数は連日のように史上最高値を更新しており「3日に5%下げてもなお、年初来で27%超上昇しており、大騒ぎする話ではない」と指摘。株価が大きく下げるなかでも、米国債市場や金価格はリスク回避的な動きにはなっておらず、「市場参加者も冷静である」と述べていた。

一方、これまでの株価のラリーが金融相場であった点を踏まえ、「リスク資産のバブル的ラリー」が、米連邦準備理事会(FRB)の国債買入れの年限構成変更などによって「スピード調整が図られることは有り得る」とも指摘している。

また、ワクチン承認等によって、withコロナ色が脱コロナ色に変わったとき、「Fedの景気認識にも変化が生じる公算が高い」と指摘。金融緩和政策の時間軸短期化の思惑から「ハイテク株中心の米国株大幅調整」が生じやすいとも述べている。

さらに「年末」が意識され始める時期に入り、「これまで投機主導でラリーをしてきたプロダクツには『機械的なポジション解消』が起きやすい」点も、頭の片隅には入れておきたいと述べていた。

■日本株は残念ながら目先、資金シフト先になりづらい=野村証券

野村証券は4日付のリポートで「昨日のリスクオフは米ハイテク株に集中しており、グローバルに共通なファンダメンタルズの変化ではないとの見方が支配的である。目先は米株調整を『正当化』する様な材料を警戒しなければなるまい」と指摘した。

その材料として、①市場の期待ほどハト派的ではない米連邦公開市場委員会(FOMC)、②米経済対策の協議難航――などを指摘。リポートではその中でも「①を予想しており、主に米債売りの材料になると見ていたが、現状では米株売り材料としての側面の方が強く出そうだ」と指摘。一方で、「この株急落をもって市場が景気失速懸念を強める、ないしはがハト派姿勢を強めるとは考えていない」とも指摘した。

さらに今回の株価下落局面への取り組み方としては、「米国内では長期債へ資金を逃避するFedよりも、内需関連・景気敏感株への押し目買いが最善に思える」と指摘。ハイテク株については「この混乱が一巡後、再び長期金利上昇によるバリュエーション切り下げリスクが意識される可能性がある。一方でバリュー株については長期金利上昇がその起爆剤となるため、資金を振り向けるにはやや早過ぎよう」とし、タイミングが難しいとみていた。

なお日本株に関しては「米ハイテク株の動向に影響を受け易い銘柄・セクターが多く、一方でグローバルな観点ではバリュー株の位置付けのため、残念ながら目先資金シフト先にはなりづらいだろう」と指摘。海外投資家の関心を集めるのは難しいとみていた。

<金融用語>

Fedとは

日本語では連邦準備制度。Federal Reserve SystemのFederalを略してFed(フェッド)と呼ばれ、FRSともいう。米国の中央銀行制度のこと。連邦準備理事会(FRBFederal Reserve Board)、連邦公開市場委員会(FOMCFederal Open Market Committee)、全米12地区の連邦準備銀行FRBFederal Reserve Banks)から構成される。 連邦準備理事会(FRB)は、日本銀行(日本の中央銀行)に相当し、Fedの最高機関として米国の金融政策を策定・実施するとともに、各地区の連邦準備銀行FRB)を総括する。連邦公開市場委員会(FOMC)は、日本の金融政策決定会合に相当し、連邦準備理事会(FRB)が定期的に開く会合で、FFレートの誘導目標など公開市場操作の方針を決定する。連邦準備銀行FRB)は、連邦準備理事会(FRB)の下に置かれ、決定された金融政策の実施や、米ドル紙幣(連邦準備券)の発行などを行う。

著者名

QUICK Market Eyes 片平 正二

著者名

QUICK Market Eyes 池谷 信久


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