若者が新型コロナウイルス禍で株式の保有を増やしている。日経リサーチの調査で明らかになった。巣ごもりで時間に余裕ができたうえ、株式相場が乱高下し、投資のチャンスと見た個人が資金を振り向けたとみられる。一方で、コロナ相場を静観した人の中には「ほったらかし投資」といった長期保有の浸透が垣間見えた。
「金融RADAR特別調査」によると新型コロナの感染拡大後、新たに始めたり増やしたりした投資商品は株式が最も多く、回答者の1割を占めた。株式の保有増加がとりわけ目立ったのは20~30代の男性で、18.4%にのぼった。女性でも投資商品の保有が最も増えたのは20~30代で、現役世代の投資行動が活発になっていた。
投資商品の中で低調だったのは金やプラチナなどの貴金属投資だ。メディアで個人の金投資が取り上げられて注目度が高いように見えたが、今回の調査では保有を増やした人は全体の1.1%にとどまった。価格が高くなりすぎて手を出しにくかった可能性がある。
コロナ禍前から投資商品を保有しながらも、投資行動を起こさなかった人にその理由を聞いたところ「特に理由はない」が最多だった。それでも「長期運用のメリットを重視したから」と答えた人が3番目に多く、短期的な相場変動に左右されず、長期保有を続ける姿勢が見られた。
調査は今年6~7月に実施。首都圏に住む20~74歳の男女3026人がインターネットで回答した。
<金融総合定点調査「金融RADAR」2020年特別調査>
◇調査概要
・人数:3026人
・対象:20~74歳の一般男女個人
・地域:首都圏40km圏
・時期:2020年6~7月
調査概要については 金融総合定点調査「金融RADAR」