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積み立て投資が得意な相場・苦手な相場とは―楽しく増やす!「北澤式」資産運用術【22】

第4部 丸わかり、積み立て投資活用術 ② 積み立て投資が得意な相場・苦手な相場とは

積み立て投資は長期の資産形成に適した効率的な投資法ではあるが、投資するのは価格変動のある投資信託などだから、成果はその時々の相場に大きく左右される。積み立て投資はどんな相場展開で威力を発揮し、どんな相場を苦手とするのか。積み立て投資と相場の相性を点検してみよう。

■実力発揮する底入れ・上昇パターン

今回は5つの相場パターンを想定し、それぞれのケースで日経平均株価連動型の投信を積み立てた結果を試算した。具体的には①大底形成相場②右肩上がり相場③もみ合い相場④右肩下がり相場⑤天井形成相場の5つ。基準価額のチャートをみながらそれぞれのパターンに当てはまる期間を抽出し、その間に毎月末1万円ずつ積み立てを続けたと仮定した。早速、結果を確認してみよう。

①大底形成相場 積み立て投資が最も力を発揮する相場パターンだ。スタート時点から基準価額が大底を付ける過程で継続的に買い下がるため、安値でたくさんの口数を購入できて、その後の基準価額の回復に伴い利益が順調に膨らむという効率的な投資となる。

グラフはリーマン危機の大暴落からその後の低迷期、そして基準価額が当初の水準まで戻る期間を示している。暴落過程で粛々と投信を買い続けるのはかなり勇気が必要で、どんなときにも機械的に買う積み立て投資だからこそ実行できたともいえる。投資の終了時点の基準価額はスタート時と同水準なため、一括投資のリターンはほぼトントンだったが、積み立て投資では元本が1.6倍になった。

大底形成相場

②右肩上がり相場 基準価額が上昇を続けているため損をする心配はないが、投資のスタート時点で安く購入した一括投資には、どうあがいても勝てない。しかも、積み立ての回を重ねるほど高値を追うような買い方になるため、投資効率もよくない。

グラフの大半はアベノミクス相場といわれた上昇相場の時期で、積み立て投資の利益は一括投資の半分近くにとどまった。投資で大きな利益を得るには大底で一気に買うのが一番だ。しかし普通の人はどこが底かを当てることなどできないのだから、この場合は上げ相場の初期段階から積み立てを始められたことを喜ぶべきである。

右肩上がり相場

■最も苦手な頭打ち・下落のパターン

③もみ合い相場 グラフは4年以上もボックス圏での動きが続いたリーマン危機後の相場だ。52万円の投資元本に対して積み立て投資の結果は13%のプラス、一括投資がマイナス4%と差が開いた。積み立て投資はもみ合い相場をあまり苦にしないようだ。

一括投資では、投資終了時点の基準価額が購入時の値段を上回らない限り利益は出ないが、積み立て投資はそうとは限らない。「基準価額が高いときには少ない口数を買い、安いときには多くの口数を買う」という原理が働き、ボックス圏の下限に近い水準でたくさんの口数を買えれば平均購入単価が下がり、少しの上昇でも利益が出やすくなる。

もみ合い相場

④右肩下がり相場 相場が下がり続ける限り、積み立て投資でも一括投資でも利益は出るはずがなく、ただただ含み損が膨らんでいく。ただし、より辛いのはスタート時点で一気に投信を買ったまま身動きが取れない一括投資の方だ。グラフはIT(情報技術)バブル崩壊に伴って3年間続いた下落相場。どちらの投資法も損失を抱える結果となったが、積み立て投資の含み損の額は一括投資の半分程度で済んだ。

積み立て投資では相場が下がるほど多くの口数が買えるため、積み立てを繰り返すたびに平均購入単価も下がる。購入単価が十分に安い投信は、やがて大きな利益をもたらすだろうお宝だ。積み立て投資にとって、相場の下落局面はそのお宝の仕込み時である。

右肩下がり相場

⑤天井形成相場 積み立て投資が最も苦手とする相場展開だ。相場が上昇している前半では高値を追う買い方になり、平均購入単価が最も高くなったところから下落相場が始まるため、後半は前半に貯めた含み益を吐き出し続ける結果になる。

グラフはITバブル崩壊から相場が立ち直った後、今度はリーマン危機の直撃を受けて再び株価が大きく下がった7年間だ。投資のスタート時点と終了時点の基準価額が同水準なため、一括投資の損益はほぼトントンを確保できたが、積み立て投資は元本の4分の1近い含み損となった。

この間に積み立て投資をしていた人にはさぞや精神的なダメージが大きかったはず。しかし、超長期の資産形成なら「買い場がもう一度やって来た」と割り切るしかない。実際にITバブル崩壊とリーマン危機は、長期の積み立て投資家にとっては安値で投信を仕入れる絶好の機会だった。

天井形成相場

■下げ相場こそ活用の甲斐がある

これまで相場展開と積み立て投資の相性を点検してきたが、この投資法は相場の下げ局面で力を発揮するのがわかってもらえたと思う。具体的には、下げ相場で損失を抑制したり、安値を拾って購入単価を引き下げたりする効果だ。「投信の基準価額がどんどん下がっているから積み立てをやめる」などというのはもったいない話で、積み立ては相場が下げているときほど活用の甲斐があると考えるべきだ。

また、どんな資産の値動きもだいたい上記の5つのパターンに当てはまるので、相場の状況と積み立て投資の損益状況を照らし合わせるときの参考にしてほしい。「相場は底入れしたから、これから含み益は膨らんでいくはずだ」とか、「いったん相場は天井を付けたので、しばらく厳しい状況になるだろう」といった具合だ。

ただし、繰り返しになるが世界経済の成長が続く限り、資産価格は10年以上の期間でみれば右肩上がりとなるはずだ。積み立て投資をするならその時々の相場に一喜一憂しないで、長期では必ず報われると信じて継続してほしい。(QUICK Money World=北澤千秋)

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著者名

QUICK Money World 北澤 千秋


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