4年に1度の米大統領選が迫った。トランプ米大統領は23日、フロリダ州で投票を終えた。主要メディアは全米各地の期日前投票の長い列を伝えている。
共和党候補で現職のトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領の動向ばかりが注目されるが、大統領候補は2人だけではない。米連邦選挙委員会のウェブサイトによると、25日時点で米国の大統領に立候補している人は1224人いる。
共和党員として出馬した候補は489人、民主党員は325人。米国憲法は、米国生まれ、14年以上米国に居住、35歳以上の3つを米大統領の条件としていて、条件を満たせば誰でも立候補できる。BBCによると、ラッパー兼ピアニスト、仮想通貨で稼いだビリオネア、ITエンジニアの先住民まで幅広い米国人が大統領候補に名乗り出た。米国230年超の歴史で2大政党以外の独立系候補が勝利したのはジョージ・ワシントン初代大統領だけだとしている。
投票表紙に全ての大統領候補の名前が表示されているわけではない。各州が定めた条件を満たさない場合はマークシートの選択肢に入らない。ロサンゼルスの有権者に送られた投票表紙には6人の大統領候補が副大統領候補の名前と併記されている。一番上が共和党のトランプ・ペンス候補。「平和と自由党」「米独立党」「緑の党」「リバタリアン」の4人の正副大統領候補を挟んで6番目は民主党のバイデン・ハリス候補だ。そしてバイデン氏の枠の下に別欄があり、表示されていない候補者名を記入することが出来る。
米国は一部の補欠選挙などを除き11月の最初の火曜日に選挙を集中させるため、有権者は多くの選択が求められる。連邦政府議会と州議会、市の幹部についても投票する。地方自治体の税金や教育などに関する条例の是非も問われる。ロサンゼルス市の有権者の投票用紙は裏表3枚、合計26を選択する。投票用紙とは別に郵送される各候補者の声明と条例の説明を読むだけで何時間もかかる大仕事だ。
CBSニュースによると5700万人を超す有権者が25日までに投票を終えた。米主要メディアは今年投票する有権者は約1億5000万人と推定。過半数は期日前投票もしくは郵便投票すると予想している。週末、新型コロナウイルスの米国内の1日あたりの新規感染が8万3000人を超え、3月以降で最多を更新した。ソーシャル・ディスタンシングと投票所内の入場数制限で列が一段と長くなっている。パンデミック(疾病の大流行)という異例の環境での政治イベントが最終局面を迎えた。
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Market Editors 松島 新(まつしま あらた)福井県出身、慶應義塾大学卒。1985年テレビ東京入社、報道局経済部を経てブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長を歴任。ソニーを経て2011年からマーケット・エディターズの編集長として米国ロサンゼルスを拠点に情報を発信