三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS」シリーズの純資産総額(残高)の合計が1兆円を突破した。7日の合計残高は1兆100億円。2019年12月に5000億円を突破してから1年あまりで残高が倍増した(図1)。
■09年10月にスタート、現在60本に
「eMAXIS」シリーズは09年10月に8本を同時設定して以降、業界最低水準の運用コストを目指す「eMAXIS Slim」や、人工知能(AI)が革新的なテーマに応じた指数構成銘柄を選定する「eMAXIS Neo」などサブブランドを立ち上げ、ファンド数を増やしてきた。現在は60本が運用中で、ネット証券経由を中心に資金流入が続いている。
■「eMAXIS Slim」が残高をけん引
残高をけん引するのは「eMAXIS Slim」シリーズだ。7日時点の残高上位10本中7本が同シリーズで、最も残高が大きいのは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2373億円だった(図2)。「Slim」13本の過去1年間の資金流入額は3700億円を超える。
運用コストが低いため投信ブロガーからの評価が高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」では1位に「全世界株式(オール・カントリー)」(残高3位)、2位に「米国株式(S&P500)」(残高1位)、3位に「先進国株式インデックス」(残高2位)がランクインした。
「eMAXIS」シリーズの残高上位10本は全てつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)の対象商品で、毎月の堅調な資金流入が残高増加に繋がった。
■リターン上位は「eMAXIS Neo」
一方、1年リターン(7日時点)では1~7位までを「eMAXIS Neo」シリーズが占めた。1位は「eMAXIS Neo 自動運転」で111.6%のプラスだった(図3)。同ファンドは世界の自動運転関連企業の株式を投資対象とし、20年11月末時点の月次レポートで組み入れ首位のテスラ(TSLA)株の株価上昇が大きく影響した。
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)