【QUICK Market Eyes 片平 正二】イタリアのマッタレッラ大統領は3日、次期首相候補に欧州中央銀行(ECB)のドラギ前総裁を指名した。組閣作業も要請した。マッコーリーは3日付のリポートで「ドラギ氏が首相に就任すれば、ユーロはニュースを暖かく迎えなければならない。ユーロドルが1.20ドル以上の取引をもう少し長く維持するのに十分なはずだ」と好意的な見解を示した。
リポートでは2011年に経済学者のマリオ・モンティ氏が大統領の指名を受けて当時のベルルスコーニ首相の後任として首相に就任した際にも市場が反応したとしながら、「今回はドラギ氏の信頼性、金融面での経験、中央銀行とのコネクションが重要な魅力となるだろう」と指摘。「少なくともドラギ氏がポストに残っている間、イタリアの将来のユーロ残留に対するあらゆる根強い疑念を直ちに取り除くだろう」という。
コロナ禍に苦しむイタリアが欧州連合(EU)からの支援を受ける上で好ましい人選とみていたが、「彼が国内政治の経験がないことは有利だが、議会の承認を絶えず求めていることから彼の行動の余地は深刻に制限される可能性がある」とし、政治家ではない立場のため不透明要因もあると警戒していた。