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Goal10「人や国の不平等をなくそう」―SDGsの今を知る

記事公開日 2021/2/19 11:00 最終更新日 2021/4/16 16:30 SDGs 人や国の不平等をなくそう SDGsの今を知る

SDGsの今を知る VOL.11 クラウドクレジット編集部

SDGs(持続可能な開発目標)17のゴール(目標)。その項目の10個目に掲げられているのが「人や国の不平等をなくそう」です。近年、たびたびメディアでも取り上げられる格差の問題。「世界で富裕層上位8人の資産が、下位50%の人の資産と同額になっている」と報じられるなど、世界ではかつてないほど格差が拡大しており、大きな問題の1つとなっています。

※SDGsアイコン「10.人や国の不平等をなくそう」

「10. 人や国の不平等をなくそう」のターゲットは以下の10個になります。

10-1 2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。
10-2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。
10-3 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。
10-4 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。
10-5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。
10-6 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。
10-7 計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。
10-a 世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。
10-b 各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。
10-c 2030年までに、移住労働者による送金コストを3%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。

出所:外務省HP資料に基づいてクラウドクレジット作成

最新の研究では、経済成長により貧困削減を達成した国、経済成長しても貧困削減につながらなかった国を比較調査した結果、経済成長により生じた「格差」が貧困削減の成否をわける原因となっていることが指摘されています。また、この格差がさらなる経済成長や貧困削減の可能性を損なっていることも明らかになりました。

所得下位40%の所得層の相対的衰退

昨年のコロナ・ショック以前から、世界の富の半分程度を1%の富裕層が所有していることが、世界的な問題として度々指摘されてきました。しかし、富裕層と最貧困層の格差だけが問題ではありません。OECDによると、各国において下位40%の所得層の相対的衰退が経済成長を阻害する要因です。OECD諸国においては、1990年代半ば以降に創出された雇用のうち半分以上が非正規雇用やパートタイム労働であり、こうした労働者の増加が下位40%の所得層の相対的衰退、格差拡大の要因となっています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延の影響により飲食業や観光業などの接客や移動の必要な業界が不況に陥り世界中でリストラや早期退職が増加するなか、下位40%の所得層の暮らしは益々厳しくなると考えられます。貧困削減の取り組みだけでなく、より幅広な低所得者層へのアプローチが必要といえます。

もちろん日本も例外ではありません。厚生労働省の国民生活基礎調査2019によると、日本における平均所得金額は552万3千円、中央値は437万円ですが、これに満たない所得世帯がボリュームゾーンとなっています。また、1991年のバブル崩壊以降、1世帯当たり平均所得金額はほぼ横ばいからやや下方傾向にあり、国内平均的な所得成長率は低い状況が続いています。

SDGsは達成できなくても罰則のない努力目標であり、多くの人が関心を失えば、ただの「達成されない志が高い目標」になってしまいます。公共セクター、民間セクター、社会セクターが一丸となって、「格差の是正は将来的に全員の利益となること」を自覚し、達成に向けて具体的な取り組みを行っていくことが今後ますます求められます。

 

(月1回配信します)

写真=Linh Pham/Getty Images


クラウドクレジット株式会社 :「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、日本の個人投資家から集めた資金を海外の事業者に融資する貸付型クラウドファンディングを展開。新興国でのインフラ関連案件も多く、現地のマクロ・ミクロ経済動向などに詳しい。累計出資金額約343億円、運用残高約146億円、ユーザー登録数約5万人(2021年2月8日時点)


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