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ナスダック総合指数とは何か? 長期の時系列チャートや構成銘柄、ナスダック100との違いを解説

(この記事は2021年8月20日に公開したものを再構成しました)

【QUICK Money World 辰巳 華世】右肩上がりでずっと上昇し続けている注目の株価指数があります。それは、米国のナスダック総合株価指数です。世界の株式相場をけん引するAI(人工知能)関連企業の米半導体メーカーNVIDIA(エヌビディア)など、多くの半導体関連銘柄が採用されています。今回はそんなナスダック総合株価指数について、ナスダック総合株価指数とは?という基本的な説明から、関連指数、組み入れ銘柄、NYダウやS&P500との違い、指数のこれまでの動きと、日本株への影響について説明します。

ナスダック総合株価指数とは

ナスダック総合株価指数とは、ナスダック証券取引所に上場している3000以上の銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した指数です。ナスダック証券取引所とは、アメリカのベンチャー向け株式市場でアメリカにおける代表的な株式市場の一つです。「National Association of Securities Dealers Automated Quotations」の頭文字をとり、NASDAQと呼ばれています。1971年2月5日の株価を基準値100として算出しています。

ナスダック総合株価指数は、半導体などのハイテク企業やインターネット関連企業の比率が多く、IT(情報通信)関連業界の動向を追う上での重要な指標です。

 

ナスダック関連の指数は他にもある?ETFは?

ナスダック総合株価指数のほかにもナスダック関連の指数があります。金融業以外の時価総額上位100銘柄を対象にした時価総額加重平均型指数「ナスダック100指数」や、金融関連株のみの時価総額上位100銘柄を対象にした時価総額加重平均型指数「ナスダック金融100指数」があります。

日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)に連動する投資信託や上場投資法人(ETF)があるように、ナスダック100指数、ナスダック金融100指数にも連動ETFがあります。ナスダックに上場する中でも時価総額が大きいナスダック100指数のETFでは、たとえば野村アセットマネジメントのNASDAQ-100連動型上場投信三菱UFJアセットマネジメントのMAXISナスダック100上場投信があります。ナスダック100指数は、ハイテク株が中心のナスダック市場の中でも特に時価総額が大きな100銘柄が対象です。指数の上昇をけん引する銘柄で構成されているためナスダック総合株価指数よりも長期のパフォーマンスが良く、ナスダック100指数関連の投資信託やETFは人気があります。

ナスダック上場の主な会社とは

ナスダック市場に上場している銘柄は、ハイテク株やIT株が多いです。世界の株式相場をけん引するAI関連銘柄の米半導体メーカー、エヌビディアなど多くの半導体関連株も上場しています。米マイクロソフト、米インターネット通販大手のアマゾン・ドット・コム、米アップル、米ソフト大手アドビ、米グーグルの持ち株会社アルファベットなど日本でも有名な企業が多数上場しています。

<ナスダック時価総額上位20銘柄(金融除く、百万USD)>

順位 銘柄名 コード

時価総額
(百万USD)

1 マイクロソフト MSFT 3,215,810
2 アップル AAPL 3,176,454
3 エヌビディア NVDA 2,974,185
4 アルファベットC GOOG 2,191,488
4 アルファベットA GOOGL 2,191,488
6 アマゾン・ドット・コム AMZN 1,948,432
7 メタ・プラットフォームズ A META 1,287,215
8 ブロードコム AVGO 677,072
9 テスラ TSLA 544,268
10 ASMLホールディング NYRS ASML 410,992
11 コストコ・ホールセール COST 376,528
12 ネットフリックス NFLX 279,502
13 AMD AMD 256,929
14 アストラゼネカ ADR AZN 243,882
15 クアルコム QCOM 232,708
16 ペプシコ PEP 226,935
17 リンデ LIN 209,342
18 Tモバイル US TMUS 209,058
19 アドビ ADBE 207,285
20 PDDホールディングス ADR PDD 195,209

2024年6月11日時点

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ナスダック総合株価指数とNYダウ・S&P500との違いは?

日本に日経平均やTOPIXがある様に、アメリカの株式市場にも代表的な株価指数がいくつかあります。アメリカの代表的な株価指数といえば、ダウ工業株30種平均S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数です。

ダウ工業株30種平均は、「NYダウ」、「ダウ平均」などと呼ばれ、ナスダックやニューヨーク証券取引所等の上場企業から選出された米国の代表的な30銘柄で構成された、単純平均型の指数です。そのためNYダウの中にナスダックで上場している企業が含まれることもあります。米マイクロソフトや米アップル等がそうです。米S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しており、1928年以降に主要30銘柄で構成されるようになりました。NYダウでは歴史の有る大手企業(有名企業)が多く、銘柄の入れ替えは、ならすと2年に1社入れ替わる程度の頻度です。ちなみに、米アマゾン・ドット・コムや米グーグルの持ち株会社アルファベットはNYダウに採用されていません。

S&P500は、ナスダックとニューヨーク証券取引所の上場企業から時価総額や業種を元に選出された500銘柄の時価総額加重型の指数です。採用銘柄数が500と多く、米国の主要銘柄の多くがS&P500に含まれています。米国株式市場の時価総額の約80%を網羅しているので、米国相場全体の動向を知るうえで役立つ指標です。

米国を代表する3つの指数の対象となる銘柄数は、ナスダック総合株価指数が一番多く、次いでS&P500、NYダウとなっています。

【3指数の違いまとめ】

指数名

構成銘柄数

算出方法

特徴

ナスダック総合株価指数

約3000

加重平均

半導体などのハイテク企業やインターネット関連企業の比率が多く、IT(情報通信)関連業界の動向を追う上での重要な指標

S&P500種株価指数

約500

加重平均

ナスダックとニューヨーク証券取引所の上場企業から時価総額や業種を元に選出された500銘柄。米国株式市場の時価総額の約80%を網羅しているので、米国相場全体の動向を知るうえで役立つ指標

ダウ工業株30種平均

30

単純平均

ニューヨーク証券取引所等の上場企業から選出された米国の代表的な30銘柄で構成

<関連記事>
S&P500を解説 ダウ平均との違いとは?株価チャートや構成銘柄、連動商品も紹介

ナスダック総合株価指数のこれまでの値動き

1971年2月5日の株価を基準値100として算出を開始したナスダック総合株価指数ですが、これまでITバブルの崩壊、リーマンショック、新型コロナウイルスによる相場下落があったものの、IT企業の成長は続いており、長期的には右肩上がりとなっています。2021年に過去最高値を更新しましたが、その後は米国の金融引き締めへの懸念などからいったんピークをつけたような動きとなりました。しかし、22年11月にオープンAIが対話型AI「Chat(チャット)GPT」を公開したことをきっかけに、生成AI(人工知能)ブームが起こります。生成AIの登場で再び相場は活況となり、2024年に入ると半導体関連を中心とするハイテク株が高騰しナスダック総合株価指数は高値を更新しています。

ナスダック総合株価指数の長期株価チャート


米国のIT企業やハイテク企業は世界的にも有名で規模が大きく、今後も新たな技術開発を続け、最先端で成長し続けていくことが考えられます。

米国の代表的な3指数(ダウ工業株30種平均=赤色S&P500種株価指数=緑色、ナスダック総合株価指数=青色)の株価の推移を比較してみても、世界経済をけん引するハイテク企業が多く集まるナスダック総合株価指数の上昇が目立ちます。

ナスダック総合株価指数は日経平均株価に影響する?

ナスダック総合株価指数の動きは日本の株式相場の行方を大きく左右します。日本企業の多くがアメリカに進出しており、アメリカ経済や株価の行方は日本にも大きな影響を与えます。

さらに足元の株式市場では、生成AIの登場で半導体関連企業に大きな注目が集まっています。特にAI関連企業の大本命である米半導体メーカーのエヌビディアの勢いが止まりません。エヌビディアを含むハイテク株で構成されるナスダック総合株価指数の動向は、日本の半導体関連株の値動きにも直結します。今後もAI向けの需要は力強いとの見通しが多く、エヌビディアから目が離せない状況が続きそうです。

前日の米国株価指数の行方を見るとある程度、東京市場の動きが予測できる部分があるので、株式取引をする際は米国市場の動向は大変重要です。

 

まとめ

ナスダック総合株価指数は、アメリカのナスダック証券取引所に上場している3000以上の銘柄の全てを対象に、時価総額加重平均で算出した株価指数です。半導体などハイテク関連やインターネット関連の株が多く組み込まれています。ナスダックの指数に連動した投資信託もあるため投資に活用してもよいでしょう。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


投資経験 10年以上
投資商品
国内株式

NYダウ 35120.08(+225.96) ナスダック 14714.66(+172,87) S&P500 4441.67(+35.87) SOX指数 3256.50(+20.63) 米10年国債 1.262% 原油 61.87(-3.07%) 為替 109.78 ・VIX 18.56(-3.11) ・マイクロソフト連日の過去最高値更新 ・NYダウ(35120)日経平均(27013)の差 8107P ・来週8月26〜28日のジャクソンホールで開かれるFRBの年次シンポジウムの結果を待つの雰囲気も ・原油、パラジウム安。コーヒー、小麦、大豆下落 ・仮想通貨は上昇

283/500
 

2021/8/21 07:46

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