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RSIの計算や活用方法、注意点を解説

記事公開日 2025/1/21 16:30 最終更新日 2025/1/21 16:30 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

【QUICK Money World 辰巳 華世】投資家にとって、相場の「買われすぎ」や「売られすぎ」を判断することはとても大切です。「買われすぎ」や「売られすぎ」を判断するテクニカル指標はいくつかありますが、今回は、投資初心者でも扱いやすいRSIについて紹介します。RSIの基本的な説明から、見方や活用の仕方、注意点などを紹介します。

RSIとは?

「RSI(アールエスアイ)」とは、Relative Strength Indexの略称で、日本語では「相対力指数」と呼ばれています。テクニカル分析の一つで、「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断するのに役立つ指標です。

RSIは、一定期間の上げ幅と下げ幅を合わせた全体の変動幅における上げ幅の割合です。数値は0%から100%で、仮に期間内の価格が全て上昇したら100%、全て下落であれば0%になります。

50%が中心で、50%以上であれば上昇基調、50%以下であれば下落基調で、一般的には70%以上は「買われすぎ」、30%以下は「売られすぎ」と判断されます。

RSIは、一般的には70%以上は「買われすぎ」、30%以下は「売られすぎ」と判断されます

RSIの期間設定に決まりはありませんが、日足の14日間がよく使われます。この他、日足では9日、22日、42日、52日、週足では9週、13週などがありますが、自分にとって使いやすい設定で使用して構いません。

14日間の計算式は以下になります。

              14日間の値上がり幅の合計
   RSI=  ──────────────────────── ✕100
       14日間の値上がり幅合計+14日間の値下がり幅合計

計算式を覚えたり、自分で計算したりする必要はありません。ネット証券などが提供するテクニカルチャートの項目に「RSI」があるので、簡単にサブチャートとして描画することができます。視覚的に分かりやすいこともあり投資初心者にも使いやすい便利なテクニカル指標です。

ちなみに、RSIはオシレーター系のテクニカル指標に分類されており、探す時はオシレーターの項目の中から探すと見つけやすいです。オシレーターは、日本語だと「振り子」「振り幅」という意味です。オシレーター系とは、振り子の様に一定の範囲を動く指標のことを指し、売られすぎ・買われすぎを判断するテクニカル指標の総称として使われています。

日経平均株価のRSI

RSIの見方

先程も紹介しましたが、RSIは、50%を中心に0から100%の範囲で推移します。この動きを活用して「買われすぎ」、「売られすぎ」の判断をしていきます。具体的に見てみましょう。

売買シグナル

一般的に、RSIが70%以上だと「買われすぎ」、30%以下だと「売られすぎ」と判断します。チャートが過熱した後、反転する機会を分析するために活用できます。また、逆張り的な売買シグナルとして活用することもできます。

具体的には、

・RSI70%以上に上昇は「買われすぎ」の売り場
 ・RSI30%以下に下落は「売られすぎ」の買い場

と判断することができます。

ただ、注意も必要です。RSIは、ボックス圏や緩やかな上昇・下落の時には効果を発揮しやすいですが、逆に相場の急騰や急落など強いトレンドが出ている時にはテクニカル指標として機能しにくい傾向があります。トレンドが強い場合には、特に注意が必要です。

どんなテクニカル指標にも言えますが、一つの指標だけで判断するのでなく、複数のテクニカル指標など多くの情報を総合的に判断する必要があります。

 

トレンド判断

RSIを使ってトレンドの判断ができます。

例えば株価は直近の高値を更新しているのに、RSIは高値を更新しないというように、株価の値動きとRSIの動きが逆行することをダイバージェンス(逆行現象)と呼びます。

この現象が起こると、直前までの値動きのトレンドが続かずに相場が調整するサインの一つと見られています。株価下落時も同様に株価は安値を更新してもRSIは安値を更新しないダイバージェンスが起こると、相場反転のサインの一つと見ることができます。

RSIのダイバージェンスの例

また、RSIの中心である50%を一つの基準としてトレンドを見ることも可能です。RSIが50%を上回って推移している場合は、上昇トレンドであり、RSIが50%を下回っていると下落トレンドと見ることができます。

先程紹介したRSIが30%を下回ると「売られすぎ」から買い場との判断も、例えばRSIが30%から反発したものの50%を超えてこないと上昇トレンドにはなりません。なので、買い場と判断して投資した場合も、RSIが50%を上回り上昇トレンドに入るかどうかを確認することは大切です。

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RSIの活用方法

ここではRSIと他のテクニカル指標と併用して活用する方法について紹介します。

ボリンジャーバンドと併用して活用

RSIとボリンジャーバンドを併用して活用します。例えば、RSIで確認された売買シグナルをボリンジャーバンドも使って考察し、よりその精度を高めていきます。

ボリンジャーバンドとはジョン・ボリンジャーによって考案されたチャートです。中心に「移動平均線」とその上下3本ずつの「標準偏差」からなる線の計7本の線で描画されています。株価のトレンドの変化や反転の目安などを見極める時に役立ちます。株価の変動が小さい時はボリンジャーバンドの幅は狭くなり、株価の変動が大きい時はボリンジャーバンドの幅は広がります。

具体的には、メインチャートに株価とボリンジャーバンドを表示させ、サブチャートにRSIを表示させて、それぞれの動きを確認していくのが代表的な使い方です。

例えば、株価は高値を更新しているのに、RSIは高値を更新しないダイバージェンスが起こっている時に、ボリンジャーバンドも合わせて確認してみます。株価が+2σのラインに達しているようだと相場の過熱感がボリンジャーバンドでも読み取れ、相場転換が近いとより高い精度で判断することができます。

RSIのダイバージェンスの例(ボリンジャーバンドと併用)

MACDと併用して活用

RSIとMACDを併用して活用する方法も有効です。MACDは株価の上昇転換や底入れが判断可能であり、RSIと併用して買いシグナルの精度を高めることができます。MACDのみだと買われすぎや売られすぎを判断できないため、RSIとの併用が有効的です。

MACDでは短期の移動平均線と中長期の移動平均線の動きから買いと売りのタイミングを判断します。使用する移動平均線は、新しい価格の方が影響力がより大きいとの考え方から、新しい価格の比重を高めて計算される指数平滑移動平均線(EMA)が使われます。

株価とサブチャートにMACDとRSIを描画します。例えば、RSIが30%以下の局面で、MACDでゴールデンクロスを確認できれば、2つのテクニカル指標から買い場との判断ができ、より分析の精度を上げることができます。

スクリーニングで活用

RSIはチャートだけでなく、スクリーニングでの項目として活用することもできます。RSI50%以上の銘柄とスクリーニングすれば、上昇トレンドの銘柄、50%の以下であれば下落基調の銘柄を抽出することができます。また、RSIを30%以下とすれば売られすぎの銘柄、つまり買い場にある銘柄のスクリーニング、RSIが70%以上とすれば買われすぎの銘柄、つまり売り場にある銘柄をスクリーニングすることができます。

<関連記事>

RSIを活用する際の注意点

RSIを活用する際の注意点について紹介します。

RSIだけで投資判断をしない様に気をつける

どんなテクニカル指標にも当てはまりますが、大切なことは、一つだけのテクニカル指標だけで判断しないようにしましょう。RSIだけを信じて判断すると、時にダマシにあう可能性もあります。ダマシとは、株価が分析結果とは異なる動きをすることです。複数のテクニカル分析を並行し、精度を高めましょう。

ダマシの可能性が高い

RSIは、時にダマシが発生することがあります。RSIは、相場の急騰や急落など強いトレンドが出ている時にはテクニカル指標として機能しにくい傾向があります。トレンドが強い場合には、特に注意が必要です。

トレンド中は機能しないことも

RSIは、トレンド発生時はあまり機能しない傾向があります。RSIは、レンジ相場には強いが、トレンド相場には弱いと認識しておくのが良いでしょう。基本的には、RSI一つだけでなく、他のテクニカル指標と一緒に活用し、相互で事象が確認できるとより分析精度が高まるでしょう。

 

まとめ

RSIは、テクニカル分析の一つで、「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断するのに役立つ指標です。RSIは50%を中心に0から100%まであり、一般的に70%以上となると「買われすぎ」、30%以下となると「売られすぎ」と判断します。投資判断の一つの材料としてRSIを活用してみましょう。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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