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資産運用に失敗しないためのポイントとは?失敗した場合の解決方法はある?(資産形成イロハのイ)

記事公開日 2021/10/1 16:00 最終更新日 2021/12/6 20:08 経済・ビジネス コラム・インタビュー 資産形成イロハのイ 金融コラム

【QUICK Money World 辰巳 華世】個人投資家の資産運用が活発になっています。効率的に資産を増やしたいと始める資産運用ですが、運用は成功が保証されているものではありません。時に運用に失敗し損が出てしまうこともあります。今回は、「資産運用の失敗」に着目し、資産運用に失敗してしまうとどうなるのか?よくある失敗例、失敗してしまった時の解決方法、失敗しないためのポイントについて紹介したいと思います。 

資産運用に失敗してしまうとどうなる?

資産運用に失敗すると資産が減少します。資産運用の対象となる多くの金融商品は、元本保証ではなく値動きがあるものがほとんどです。例えば、株式相場は日々値動きがあり株価は変動します。100万円で買った株式が相場下落で60万円まで下がってしまい、そこで売却したら40万円の損失が出ることになります。

資産運用にはリスクとリターンという考え方があります。「ハイリスク・ハイリターン」、「ローリスク・ローリターン」と言った表現を聞いたことがあると思います。一般的にリスクとリターンは比例する関係で、リスクが高ければリターンも大きく、リスクが低ければリターンも低くなります。

投資の世界での「リスク」とは、「得られる利益の不確実性の度合い、振れ幅の大きさ」を示しています。「リスク」が大きいということは、振れ幅が大きい、つまり、利益が大きくでる可能性もあるけれど、一方で損失が出た場合の影響も大きいという意味です。リスクが小さいのに、リターンが大きい、という都合の良い投資対象は基本的には無いと考えるべきです。

ハイリスク・ハイリターンの金融商品の場合は、損失が大きくなる可能性が高いです。場合によっては、投資元本以上の損失が発生し、借金を負うこともあり得ます株式の信用取引や外国為替証拠金(FX)取引は、元手を大きく超える金額を取引できるレバレッジ(てこ)取引です。そのため、利益が出る時は大きくなりますが、一方で相場が予想に反して大きく動くと、損失も大きくなります。元手以上の取引をしているので、自分の投資した資金以上の損失が出てしまい、借金をすることになることも考えられます。

資産運用に失敗すると、資産が目減りしたり、場合によっては借金をすることもあり得ます。住宅購入や車の購入、老後資金など資産運用の目標としていたものが達成できなくなります。

資産運用のよくある失敗例

資産運用のよくある失敗例を見てみましょう。

株式投資の場合、相場全体の流れの影響も受けますが、購入した企業独自の出来事でも株価が変動します。相場全体は上がっていても、投資した企業に不祥事などが発覚すれば株価が下落します。

株式投資に比べて分散投資効果が高く、比較的リスクが低い投資信託でも、もちろん損をしてしまうことがあります。また投資信託の商品の中でも新興国の株式などに投資する投資信託は、比較的ハイリスク・ハイリターンであり値動きが大きく、その時の情勢によっては損が大きく出ることもあり得ます。

先ほど紹介したように、株式の信用取引・FX取引などのレバレッジ取引は大きな損失を負うケースがあります。また、最近話題となったビットコインなど暗号資産(仮想通貨)も値動きが激しく損失が大きくなる可能性が高いです。

資産運用を失敗してしまった時の解決方法とは

投資した金融商品が下落して損失が出てしまった場合、まず2つの選択肢があります。相場の回復を期待してそのまま保有を続ける。もう一つは、売却をして損切りをするです。

保有か売却かの判断は、損失の大きさ、今後の相場回復の可能性、その資金が必要な時期など複数の要因によって異なってくると思います。

現物株式や投資信託などは投資元本を失う以上の損失は出ません。先進国の株式相場は15年以上の超長期で見れば右肩上がりとなっています。株式市場全体に投資する投資信託であれば、長期で保有し続けることも選択肢でしょう。株式については倒産の危険性があったり、成長の兆しが見えなかったりするようであれば、損失確定の売却(損切り)を選んでもよいでしょう。

▼1980年以降の日経平均株価(青線)と米S&P500指数(赤線)

一方、信用取引やFX取引などのレバレッジ取引の場合は損失が大きく借金に繋がるケースもあるので、早目に損切りの判断をする方が良いでしょう

損切り後はいったんリスクの高い運用を辞めて、リスクの低い長期投資に切り替えていくのが良いでしょう。ハイリスク・ハイリターンの金融商品だけに目を向けるのではなく、リスクとリターンの兼ね合いを考えて分散投資をしていくのが大切です。少額投資非課税制度(NISA)個人型確定拠出年金(iDeCo)など税制優遇がある積み立て系の投資方法で投資信託を購入し、コツコツと利益を増やしていくのも一つの手です。失敗を経験したことで、リスクの低い投資の堅実さなど学ぶことが大切です。

資産運用で失敗しないためのポイント

資産運用で失敗しないためにはいくつかのポイントがあります。一つの商品や銘柄に偏ることなく分散投資を心がけることや、リスクとリターンの兼ね合いを考えていくこと、長期投資で考える資金、短期投資で考える資金など運用期間の長さを意識した商品選びをすることなどがあります。具体的な行動をいくつか示していきたいと思います。

事前に資産運用をする金額に上限を決める

資産運用に回す金額の上限を決め、ハイリスクではない商品に投資することで、当初決めた金額以上の損をすることがありません。損失を挽回するために生活費など必要な預貯金まで投資にまわすことは避けましょう。

損失が生じた場合の売却のタイミングを決めておく

例えば保有している株価が大きく下落した場合「〇円まで下がったら売却する」「買値から〇%下がったら売却する」等を予め決めておき損切りをするのは一つの考え方です。株価は再び上昇する可能性もありますが、更に下落する場合もあるため、相場全体の流れや株を保有している企業の今後の動向を確認して判断するのも良いでしょう。売却した資金を別の投資先に振り向けることで、新たな投資機会を得ることもできます。

分散投資をする

一つの金融商品だけ銘柄だけなど偏った投資をしないことが重要です。資金を分散し複数の投資を行っていれば、1つの投資の損失は、成功している別の投資で補える可能性もあります。

リスクの低い投資商品で資産運用を行う

ハイリスク・ハイリターンの金融商品は利益が出た時は大きいですが、損失が出た時も大きいです。短期投資で利益を狙いにいく場合にはハイリスク・ハイリターンの金融商品を選ぶのは一つの手ですが、長期投資には向きません。投資をする場合は、リスク・リターンの兼ね合いを良く理解し長期投資でいくのか短期投資でいくのかを決めると良いでしょう。リスクの低い投資商品で堅実な資産運用をすれば大きな損失が出る可能性は少なくなります。

まとめ

投資はリスクを伴うものであるため、失敗を防ぐためには予め「損失を最低限に抑えるための準備」をしておくことが大切です。分散投資でリスクを減らしながら資産を運用していきましょう。

 

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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