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決算スケジュールの基本や確認方法を解説!決算でチェックすべき情報も

決算スケジュールの基本や確認方法を解説!決算でチェックすべき情報も

(この記事は2022年7月26日に公開したものを再構成しました)

【QUICK Money World 辰巳 華世】投資家にとって企業の決算発表は注目すべき材料であり、決算発表スケジュールを把握することはとても大切です。今回は、そんな企業の決算発表のスケジュールを確認する方法や、決算発表でチェックすべき情報、決算情報で株価が乱高下した際の立ち回り方のコツなどについて紹介します。

決算スケジュールを確認する方法

株式投資において企業の決算内容を確認することは大切で、投資家は、決算スケジュールを把握する必要があります。一般的に決算発表は、決算期末を約1カ月から1カ月半ほど過ぎた頃に行われます。

決算発表は株式市場で注目される材料の一つです。決算発表の時期は毎回一定のリズムなので、いつ頃が決算発表シーズンであるかを予め覚えておくと良いでしょう。

例えば、3月期決算の銘柄は、4月下旬から5月中旬頃に本決算の発表を行います。日本では3月期決算の銘柄が約2500社と多く、ゴールデンウィーク明けの5月初旬は決算発表が集中するシーズンになります。

日本の上場企業は現在、1年間を通じた通期決算短信の公表だけでなく、3カ月ごとの四半期決算短信の公表が義務付けられています。つまり、年4回決算を発表するタイミングがあります。

3月期決算の企業であれば、第1四半期の決算発表が7月下旬から8月中旬、第2四半期が10月下旬から11月中旬、第3四半期が1月下旬から2月中旬、通期決算が4月下旬から5月中旬となります。この時期を知っていれば、お目当ての銘柄の具体的なスケジュールを調べておくなどスムーズに決算発表の準備ができたり、決算発表を材料にマーケットが動いているなど状況を把握しやすかったりします。

3月期決算企業の決算発表スケジュール

四半期決算の発表は、足元の進捗を確認する上で大切であり、その積み上げの結果である通期決算の発表は最も注目を集めます。

 

ちなみに、上場企業の決算スケジュールの時期が一定になる理由は、「45日ルール」があるからです。

45日ルールとは、東京証券取引所が定める決算期末から45日以内に決算書を開示するルールです。このルールがあるので上場企業の決算スケジュール時期は45日以内と一定になります。

また、万が一、決算の開示が遅れ50日を超える場合には、決算内容の開示に加え、決算開示が遅れた理由と翌年度以降の決算開示時期の見込みや計画について開示する必要があります。

ここからは、自分の投資する銘柄の決算発表のスケジュールを調べる方法についてみていきましょう。

予定を一覧で確認する方法や指定した銘柄の日程を探す方法などいくつかのサイトを紹介します。

日本取引所グループのサイト

東京証券取引所に上場する銘柄であれば、日本取引所グループ(JPX)のホームページから決算の発表会社一覧のエクセルシートをダウンロードすることができます。このエクセルシートでは、決算発表予定日、証券コード、会社名、決算期末、業種名、市場区分などが確認でき、コードでソートをかけたり、業種で絞ったりと便利です。

日本経済新聞社の電子版

日本経済新聞社の電子版のサイトでは、決算発表日ごとの一覧や、銘柄名や証券コードなどから検索することができます。

SBI証券のサイト

SBI証券のサイトでは、企業名で決算予定日を検索することができます。また、カレンダーが表示されていて、その日の決算発表予定社数が掲載されています。社数をクリックすれば一覧で確認できるほか、カレンダーを見ることでいつが決算ピークなのかを確認するのに便利です。

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▼過去に配信された決算関連記事の例

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決算発表でチェックしたほうがよいポイント

決算発表で開示される決算短信には、様々な情報が載っています。これまでの実績の決算情報だけでなく、今後の見通しである業績予想や配当の予想などを開示する企業もあり、投資家にとってとても大切な情報がたくさんあります。

ここからは、決算発表でチェックすべきポイントについて紹介します。

前年同期比の伸び率を確認

実績の決算でも業績予想でも、前年同期に比べどれくらい増減したのかを確認しましょう。伸び率がプラスだったかどうかだけでなく、どれくらい伸びたのか%で確認することで、企業業績の成長力を確認することができます。伸び率がマイナスとなっている場合には、どれくらい鈍化しているのか確認しましょう。また、決算短信の添付資料には増減した理由などが記載されているので目を通してみましょう。

業績見通しの修正

決算発表では、業績予想を開示する企業がたくさんありますので業績予想を確認しましょう。ちなみに上場企業にとって業績予想の開示は義務ではありませんので、すべての企業が開示しているわけではありません。

業績予想を確認する際も、実績の決算に比べてどれくらい増減するかを確認します。また、直近開示している業績予想から「修正がなかったか」、修正があった場合は「上方修正されたか」「下方修正されたか」見てみましょう。一般的に業績予想の上方修正は投資家に好感されるケースが多く、株価の上昇に繋がりやすいです。

▼決算発表の確認に関するその他の記事

「マーケットコンセンサス」を上回っているか

発表された決算内容が市場予想の平均値である「マーケットコンセンサス」を上回っているかどうかを見てみましょう。コンセンサスを上回る業績であれば「期待以上」、コンセンサスを下回る業績なら「期待はずれ」と評価できます。決算の数字だけを見れば良い内容に見えても、投資家のコンセンサスを下回る結果で「期待はずれ」との評価になれば、株価が下落する可能性もあります。また、逆に決算の数字はあまり良くなくても、投資家の期待を上回る内容であれば株価が上がることもあります。

QUICK Money Worldの個別銘柄の株価情報ページでは、「QUICKコンセンサス」という、アナリストなどによる上場企業の業績予想の平均値(コンセンサス)を開示していますので、投資をする際の情報に役立てて下さい。有料会員向けサービスでは、コンセンサスを基にした銘柄探しもできます。有料会員の機能は初回登録から30日間無料でご利用いただけます。ぜひ一度お試しください。

株サーチ

株価が乱高下したときの立ち回りのコツ

決算発表の前後は株価が思わぬ方向に上下することがあります。決算内容が良かったのに株価が急落、悪かったのに株価が上昇など、教科書的なセオリーとは違う動きをし、なぜ?と頭を抱えるような場面を目にすることが良くあると思います。

その理由の一つは、株価は常に未来を先取りしているからです。事例を見ながら考えてみましょう。

決算がよくても株価が急落した場合

例えば発表された通期決算が良かったのに、株価が急落。この場合、いくつか理由は考えられます。前提として、株価は常に未来を織り込んで動いていることを覚えておいて下さい。

決算が発表された時、それは既に過去の話なのです。イメージで言うと、株価は、「通期決算が良さそうだ」という情報では上昇しやすいですが、「通期決算が良かった」という情報だけで「良さそうだ」という情報で上昇した株価を更に一段押し上げる力はありません。

むしろ、「通期決算が良かった」情報が出たことで、当面の材料は出尽くしたとの見方から、「良さそうだ」で買った人たちの利益確定売りが出て株価が下落するパターンです。

更に通期決算の発表のタイミングでは、今期の業績予想を開示する企業がたくさんあります。いくら実績の通期決算が良くても、業績予想が悪ければ、株価は下落する可能性があります。株価は、過去や現在よりも、常に未来を意識して動いているからです。

株価が乱高下した場合は、冷静に立ち回ることが大切です。「通期決算が良かった」のに株価が利益確定売りから急落した場合、一つ注目すべき点としては「業績予想」かもしれません。もしこの業績予想が好調な様であれば、業績は好調であるとの見方から、利益確定売りが落ち着いた後、この下げをチャンスと見た新たな買いが入り株価が回復する可能性もあります。

決算が悪くても株価が上がった場合

決算が悪くても株価が上がることもあります。これは、業績予想で回復傾向が確認されたり、ビジネス環境の好転が予想されるなど、業績悪化のピークを脱したとの判断からの買いが入っている可能性があります。株価は常に未来を先取りに動く傾向があります。

株式投資を考える時、大切なことは、ある一時点での決算情報だけで判断することはできないということです。発表された決算情報が、発表される前から予想されていたものなのかどうか、過去の決算情報が市場でどう評価されていたのかなど「流れ」を見ていく必要があります。一つの決算内容だけでなく、そこに行き着くまでの一連の流れの中で、発表された決算や業績予想を市場がどう評価するのかを考えていくことが大切です。

投資初心者がこの感覚を養う一番良い方法は、いっぱい事例を経験していくことだと思います。気になる複数の銘柄をピックアップし、発表される情報と株価の動きをウォッチしていくことで多くのパターンを目にし経験値を積み上げることができます。

 

まとめ

株式投資で大切な個別銘柄の決算情報をタイムリーに確認するためには、決算スケジュールを把握する必要があります。スケジュールを確認する方法はいろいろあるので、自分の使い勝手が良いものを活用しましょう。決算発表では、収益の伸び率や業績見通しの修正有無、マーケットコンセンサスを上回っているかなど様々な情報を確認しましょう。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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