日本企業の景況感が改善している。QUICKが16日に発表した8月の「QUICK短期経済観測調査」(QUICK短観)で、製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から14ポイント改善のプラス24だった。改善は2カ月ぶり。1月調査(プラス25)以来7カ月ぶりの高水準となった。金融を含む全産業DIは前月から1ポイント改善のプラス23だった。
一方、人員について「過剰」から「不足」の回答比率を差し引いて算出する雇用人員DIは、全産業でマイナス33に低下し、2年5カ月ぶりの低水準となった。人手不足を実感する企業が増加している。
QUICKでは毎月、全国の証券取引所に上場する企業を対象に業況や事業環境に関するアンケートを実施し、結果をQUICK短観調査としてまとめている。8月調査は8月1日から10日まで実施し、270社が回答した。
消費者物価指数の前年比伸び率の見通し(1年後、平均)は1.8%で、過去最高を更新した前月と同じだった。価格が「上昇している」と答えた企業が多いほど高くなる仕入価格判断DI、販売価格判断DIは金融を除く全産業で小幅に低下した。
手元資金の使い道「設備投資」が最多
話題のトピックについて聞く特別調査では、2022年度後半の手元資金の使途として最も重視するものを聞いた。「設備投資」を選んだ企業が36%で最も多かった。「人材投資」が17%、「M&A」が14%、「手元資金を積み上げ」が13%で続いた。「株主還元」は2%で最も少なかった。同内容を聞いた2021年9月調査と比較して大きな変化は見られなかった。