【NQNニューヨーク=川上純平】暗号資産(仮想通貨)の価格が8日にかけて軒並み急落した。情報サイトのコインデスクによるとビットコインは一時1万7484ドルと24時間前に比べ2割前後下落し、6月に付けた年初来安値を下回った。暗号資産(仮想通貨)交換業最大手のバイナンスが8日、資金繰りの問題が発生した同業大手FTXトレーディングの米国以外の事業を買収すると明らかにした。FTXの財務不安で仮想通貨市場のリスクが改めて意識され、換金売りが膨らんだ。
他の主要な仮想通貨ではイーサリアムとXRPの価格は24時間前に比べて15%前後下げている。
バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者(CEO)が6日、FTXが発行するトークン「FTT」をすべて売却するとツイッターで表明。これを受け、週明けから顧客がFTXから資金を引き出す動きが広がり、資金繰りに窮したFTXがバイナンスに救済を要請した。8日のFTTの価格は24時間前に比べて7割超下落した。
米株式市場では仮想通貨関連の銘柄が売られた。仮想通貨取引業者のコインベース・グローバルは前日比10.8%安、ネット証券のロビンフッド・マーケッツは19.0%安で終えた。FTTを巡る信用不安を受け、コインベースは8日午後、「FTXへのエクスポージャーは非常に小さく、FTTへのエクスポージャーはない」との声明を公表した。