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投資信託を初めて知った?稲付中学校で資産形成のカードゲーム特別授業を実施!

記事公開日 2023/4/7 17:00 最終更新日 2023/4/10 14:20 資産運用・資産形成 投資信託 トレンドを知る 資産形成王 金融教育 中学生

【QUICK Money World 岩切 清司】資産形成王が次に挑んだのは中学生——。3月13日、都内にある北区立稲付中学校でQUICKが独自に開発した資産形成を手軽に体感できるカードゲーム「資産形成王」を使った特別授業を実施しました。これまでは高校生や大学生に展開してきましたが、中学生向けは今回が初めて。通用するかどうかハラハラドキドキでしたが、生徒さんたちは思っていた以上に盛り上がってくれました!

稲付中特別授業風景1

人気カードゲームを楽しむかのように

このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。

増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら、手元に株券カードを持っていた場合だとさらに株券を1枚獲得できます。また「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち、参加者全員を対象に、株券を1枚・投資信託を3枚残して残りは全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。

ルール説明もそこそこに早速ゲーム開始。1ターン目は感触をつかむかのように静かに回していましたが、2ターン目以降からはゲームの流れなどを理解し始めると、発生するイベントに対し一喜一憂の声が各所から聞こえるようになりました。中には人気カードゲームの遊び方になぞらえて「●●のターン。▲▲が発動」などと様々な経済イベントをこなしていました。

稲付中2

長期投資への一歩に

そもそもこのカードゲームは「自分の子供に資産形成を教えるにはどうしたらいいのだろう」と考えたQUICKの女性社員が、「カードゲームで熱心に遊ぶのだから資産形成もカードゲームにしたらどうだろう」という発想を起点に生まれました。狙い通りの展開になりました。

初めて耳にする経済用語。なぜ資産が増えるのか、減るのか。その理由はよく分からないままゲームは進んでいきました。しかし、終了後は金融教育の専門家であるワイズ・アセット・デザインの山口曜一郎氏による資産形成の講義で理解を深めてもらいました。限られた講義時間の中で、株券や投資信託の説明をしつつ長期投資と複利に的を絞った講義内容となりました。

山口さんには難しい内容を短時間で分かりやすく解説いただきました。これで全てを理解してもらえたとは思っていませんが、まだ10代の彼らには「時間」という圧倒的に有利な要素があります。長期投資の意味に少しでも触れ、将来の資産形成へ一歩踏み出す糧になるだけでも十分です。

稲付中

※山口氏の熱心な講義に耳を傾ける生徒たち

「投資信託を初めて知った」

今回参加してくれたのは3年生の全4クラス、約130名の生徒さんたちでした。授業についてアンケートで評価を聞いたところ、「非常によかった」が8割に達しました。興味深いのは「資産運用について興味を持ちましたか」との問いに対し「以前から持っている」が25%だった点です。過去に開催した高校生たちと比べても遜色ないレベルの高さです。若年層でも資産形成へ関心が高まりを見せているようです。

アンケート結果1

アンケートでは「株価は知っていたけと、投資信託は難しかった」との回答がありました。また「ゲーム中は投資信託というものはよくわからずやっていたが、講義を受けてとてもわかり易く理解することができた」とのコメントもあり、投資信託そのものへの理解が多少なりとも深まったようです。そのうえで「魅力的な投資先を選ぶとしたら」との質問については、投資信託と株券が拮抗した形になりました。

アンケート結果2

ある生徒さんは「現金も株式も投資信託も、持っていて悪いときもあるしいいときもあるので、運もあるしバランスが難しいなと思いました」と感想を述べてくれました。一概に分散投資といってもその最適な配分比率とは何か。まだまだ我々が伝えていかなければいけないことは多々あるのだと改めて気付かされた思いです。それでも資産形成の何が難しいのかが垣間見えただけでも大きな前進につながったのではないでしょうか。

生徒さんからは他にも以下のような感想をいただきました。

  • ゲームを通して株などの仕組みについて理解することができてとても良かったです
  • お金のしくみについて株という難しところを学ぶことができた。将来に向けて大切なことだなと思った
  • 今回の授業は時間がなかったけれど、もっと時間があれば色んな人とゲームしたかったくらいとても楽しかった。話もわかりやすくてより資産運用について興味が出た
  • とてもわかりやすく、株などについて興味を持つことができました
  • 今後のお金の使い方を考えさせられ、どのようにお金をふやしたり効率よく使っていけるのか良く考えて、使っていきたいと思った
  • FP検定が気になっていたのでとても興味深い内容だった
  • 投資信託と株式の違いをわかりやすく知ることができた。普段こんなに詳しく学ぶことがないので、良い取り組みだと思う
  • 株については知っていたけど投資信託については初めて知りました。お菓子の詰め合わせの話がすごくわかりやすくて、株を買う前に投資信託と買ってみようと思いました
  • 投資は自分には難しいし関係がないと思っていたけれど、様々なやり方があり、将来のために自分でも投資ができるのだと思い、投資に興味を持つことができました

稲付中特別授業風景6

最近では日本各地の学校からカードゲーム「資産形成王」を使ったワークショップ型の特別授業に関するお問い合わせをいただくようになりました。QUICKではカードゲームと解説講座を組み合わせた金融教育に関する出張特別授業を不定期で実施しています。ご興味のある方はQUICK Money Worldのお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

 

 

著者名

QUICK Money World 岩切 清司

1998年に株式会社QUICKに入社。2002年から金融市場を担当するライター。06年からは日本経済新聞社で記者職に就く。13年から3年半にわたり日経QUICKニュース社のニューヨーク支局に駐在。帰国後、20年から「QUICK Money World」を担当し個人投資家向けの投資情報発信や金融教育事業に携わる。


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