【QUICK Money World 岩切 清司】資産形成を学ぶカードゲーム「資産形成王」が今回お呼ばれしたのは仙台市にある東北学院中学校・高等学校でした。5月13日に同校の中学2年生の約35名に資産形成王を使った「特別授業」を実施しました。最初はよく知らない金融・資産形成をモチーフにしたゲームに戸惑いながらもゲームが進むにつれて大盛り上がり!休憩時間もすっ飛ばしてゲームを楽しんでくれました!
「資産」を増やせ!
このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く経済に関する「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。
増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら、手元に株券カードを持っていた場合だとさらに株券を1枚獲得できます。また「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち、参加者全員を対象に、株券を1枚・投資信託を3枚と現金を残して全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。
特別授業では冒頭にルール説明をします。分かったような、分からないような、そんな雰囲気に包まれながらいざゲーム開始。内容を吟味するかのように静けさが漂ったものの、それも数分後には徐々に笑い声に包まれていきました。手元の株券の枚数分だけ現金がもらえる「配当」を引けばガッツポーズ、全員が多くの資産を没収される「ブラックマンデー」といったネガティブカードでは落胆とともに、巻き込まれたプレーヤーが「なんでだよー」と嘆くなど悲喜こもごも。気づけば身を乗り出してイベントカードをお互いにチェックしたり、立ち上がって何やら考え事をしていた生徒さんもいました。
講義はポイントを絞って
中学生の間では色々なカードゲームが流行っているそうですね。カードゲームに慣れているのか、あまり馴染みのない金融や資産形成を題材にした資産形成王でもいち早くルールを理解し、運営側が想定している「1ターンあたり20~25分」よりも早く終えて2回目のゲームに突入したチームもありました。
QUICKの特別授業の構成はおおざっぱにいうと「ゲーム→講義→ゲーム」の流れになっています。1回目のゲームで耳にした用語を次の講義で解説。多少なりとも理解が深まった状態で少しでも実践的に改めてゲームをしてもらいます。今回の講義では筆者が担当しました。ポイントは2つに絞りました。株券、投資信託、現金といったそれぞれの資産がどういったものなのかという説明と、資産形成には長期投資が向いていて複利の運用がより効果的であることを伝えました。
中学2年生向けに金融や資産形成の講義なんて想像もしてなかったので資料作りから悪戦苦闘。それでも実際の講義では多くの生徒さんが耳を傾けてくれて真剣に話を聞いてくれました(ありがとうございました!)。
「資産形成が必要」は8割超
今回の授業で7割強の生徒さんが資産運用について興味を持ってくれました。また将来において資産形成が必要だと感じている生徒さんは8割超に達していたことも分かりました。
また以下のような感想もありました。
- 資産形成について楽しく学ぶことができました
- 初めて知ったことがたくさんあって楽しかったです
- 資産をどうやって増やすことができるのか知ることができたので、将来活用していきたいです
- 投資信託や株券についてわかり、とても楽しかった
- 元々興味を持っていたのでとても楽しかったです
- ゲームをして楽しくお金について興味を持つことができました
今回、特別授業の依頼をしてくださったのは同校の坂本亜紀子先生でした。総合的な学習のテーマが「働くことについて考える」ということで、楽しく学べる教材などを探していたといいます。今回の金融・資産形成については「まずは生徒にとっかかりを与えることが大切だと考えています。そのあとは生徒が『自走』すればいいと思います」(坂本先生)とのことでした。後日、坂本先生からは直筆のお手紙もいただきました。以下は抜粋になります。
「生徒たちにとっては『金融』や『資産形成』という言葉自体ピンとこない年齢でありましたが、カードゲームを通して楽しく学んでいる姿を見ることができ、大変うれしく思っております。人生100年時代、ソサエティ5.0の社会を生き抜く生徒たちにとって、生活を創るということはこれまでの常識があてはまらないことも多く、自分で考え、行動し、しなやかに生きる力が必要になります。学校生活の中でたくさんの『興味ある事』を見つけ、普段の生活の中で、学びを深めてほしいと願っております。特別授業をきっかけとして、今後の進路選択や生活設計を行う上で、どのくらいのお金が必要となり、そのためにはどのような働き方、お金の増やし方があるのかを考えられる人になってほしいと思っています」 |
我々としても今回の授業が生徒さんたちが資産形成に少しでも関心を持ってもらえれば幸いです。