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為替オーバーレイとは何か? 仕組みや運用におけるメリットなどを解説!

記事公開日 2023/7/21 18:00 最終更新日 2023/7/21 18:00 経済・ビジネス コラム・インタビュー FX 市場用語再点検 金融コラム

市場用語再点検!為替オーバーレイ

【QUICK Money World 荒木 朋】投資信託などの資産運用の世界では、国内資産だけでなく外貨建て資産にも投資するのが一般的です。外貨建て資産に投資する際、価格変動リスク以外にも為替変動リスクなどに留意する必要があります。外貨建て資産投資における為替リスク管理として用いられるのが為替オーバーレイという手法です。本記事では為替オーバーレイの概要や仕組み、運用におけるメリットなどについて解説していきます。

■オーバーレイとは? 株式や債券とデリバティブを分けて運用

投資におけるオーバーレイとは、ある投資信託の中で株式や債券などの個別資産運用と、先物などデリバティブ(金融派生商品)の運用を別々に行う手法のことを指します。オーバーレイとは本来、「上乗せする」「重ねる」という意味です。

投資でオーバーレイという手法をとる理由は、資産全体で見て効率的な運用を行い、為替変動などのリスク回避につなげるためです。オーバーレイを活用して運用する投資信託はデリバティブ運用専門のチームが組まれるため、コストが一般的な投資信託と比べて割高になることがあります。

 

■為替オーバーレイとは? 外貨建て資産の為替部分を一元管理

外貨建て資産の運用では為替変動リスクに備え、為替ヘッジを行うことがありますが、外貨建て資産の運用成果に与えるヘッジコストの影響は無視できません。ヘッジコストの上昇対策として用いられるのが為替オーバーレイで、「カレンシーオーバーレイ」とも呼ばれます。

為替オーバーレイは、外貨建て資産の株式や債券などの原資産の運用に為替部分の運用を上乗せ(オーバーレイ)させる運用手法です。外国株や外国債に特化した投資信託や内外資産のバランス型投資信託などでは通常、外貨建て資産と為替の運用をセットで行うのが一般的です。

ただ、外国株や外国債を運用するファンドマネジャーが為替の運用も得意であるとは限りません。その対策として、外国株や外国債などの外貨建て資産の為替部分を原資産から切り離し、運用委託を受けた専門の為替マネジャーが為替部分を一元的に取引・管理するのが為替オーバーレイなのです。

■為替オーバーレイ運用のメリットは? 為替ヘッジコストの削減期待

為替オーバーレイの運用でどのようなメリットが得られるのでしょうか。

1つは為替ヘッジコストの削減が期待できる点です。為替ヘッジコストとは、為替取引の際にかかるコストのことです。為替ヘッジには自国通貨(円)と外国通貨の金利差分のコストが発生します。円と米ドルの場合、円は米ドルよりも短期金利が低いため、米ドルと円の金利差が為替ヘッジコスト(=米ドルの短期金利―円の短期金利)になります。

ドル円のヘッジコスト

為替リスク回避の運用を行う際、株式と債券では売り買い反対の矛盾する為替取引が行われ、運用効率が下がってしまうケースもあります。それぞれの運用担当者が個々に為替ヘッジを行うのではなく、為替取引を専門に行う為替オーバーレイマネジャーが為替部分に関して一括してヘッジ取引を実施すれば、より効率的・効果的な運用により為替ヘッジコストの削減につながることが期待されます。為替オーバーレイにより、株式や債券を運用する担当者はその運用に専念できる上に、為替ヘッジリスクにも対処しやすくなるのです。

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■為替オーバーレイの戦略は? 為替リスク抑制型が主流

為替オーバーレイの戦略には、大まかに、為替変動を利用して超過収益の獲得を追求しようとするアクティブ型の運用と、為替ヘッジによる為替リスクの削減に主眼を置いて運用を行うパッシブ型の2種類に分けられます。

アクティブ型の運用は、既存のポートフォリオには無いリスクを新たに取って、為替相場の予測をもとにした通貨間のロング(買い)・ショート(売り)戦略などにより、超過収益を狙う方法です。2000年代前半に起きた世界金融危機以前にはよく取られた手法とされています。

パッシブ型の運用は、既存のポートフォリオの中で設定されている為替リスクの許容範囲内でリスクを管理する方法で、為替相場の動向に応じて為替ヘッジ取引により為替リスクを抑え、ヘッジコストの削減を狙います。現在の為替オーバーレイ運用では、こちらの手法が主流となっているようです。

 

■為替オーバーレイの課題・問題点は?

為替オーバーレイの課題・問題点については、①為替オーバーレイマネジャーに一括して運用を任せることで、その運用が失敗した場合に影響の範囲が広がるなどのリスクが大きくなる可能性がある、②外貨建て資産の全体の為替エクスポージャーを把握するのに時間と手間がかかる、③為替オーバーレイ運用におけるパフォーマンス評価が難しい、④為替のみを対象とする運用のため、通常の有価証券運用とは異なる法的な制約がある――といった点が挙げられています。

超金融緩和の時代が終わり、世界的にはインフレ抑制のために金融引き締めを強化する動きが広がっています。一方、日本は大規模な金融緩和政策を継続しており、日米金利差は拡大基調にあります。為替ヘッジコストの上昇による運用パフォーマンスへの影響も警戒されるなか、外貨建て資産投資のリターンの安定化に向けた為替リスクへの対応はますます注目されるでしょう。

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著者名

QUICK Money World 荒木 朋

1998年にQUICKに入社。2003年から11年間、日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)で記者職に就く。0609年にNQNニューヨーク支局に駐在。1820年はQUICKロンドン支店に赴任。08年のリーマンショック、20年のBrexitはいずれも現地で取材した。QUICK退社後、ボクシングトレーナーとして働く傍ら、21年から「QUICK Money World」に寄稿。


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