【QUICK Money World 岩切 清司】資産形成をカードゲームで学ぶ「資産形成王」は10月6日、3回目となる愛媛県の伊方町を訪問しました。同町とQUICK、八西CATV、STNet社が町民の金融リテラシー向上のために締結した連携協定が背景にあります。今回は町立の伊方中学校、三崎中学校、瀬戸中学校で金融教育の特別授業を実施し、カードゲームを通して資産形成を楽しみながら学んでもらいました。
資産形成王
このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く経済に関する「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。
増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら、手元に株券カードを持っていた場合だとさらに株券を1枚獲得できます。また「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち、参加者全員を対象に、株券を1枚・投資信託を3枚と現金を残して全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。
消費増税「ヤバいってー!」
伊方中学校では24名の中学1年生が授業に参加してくれました。三崎中学校と瀬戸中学校は合同開催となり、参加者は中学3年生の合計11名でした。いずれの生徒さんたちも机に配られた資産形成王を手にすると興味津々の様子で、2~3ターンが終わるころには各テーブルで大盛り上がり。人気カードゲームさながらに「現金を株券と交換してイベントカードをドロー」と言いながら引いたカードに一喜一憂。消費増税のカードが出てきた生徒さんは「ヤバいってー!」とショックを受けていました。一方で「株で大儲けしてやる!」とゲームの中でリスクリターンが最も大きい株券にウエートを大きく傾ける生徒さんもいました。
「9枚も没収された」
金融や資産形成のことをあまり知らないまま臨んだ1回目のゲームが終わった後に気付きや感想を聞いてみました。
- お金に関する知っている言葉もあったけど、投資信託など知らない言葉もあって、それを楽しみながら知ることができました
- 前半は株券を持っていたけど途中で株券にはリスクがあるというヒントを得たので、投資信託を買うようにしました。でも投信にもデメリットがあってどうすればいいか分からなかったけど、楽しかったです
- 現金だけとか偏ってると利益を生めなかった
- 株券ばかり購入して10枚くらいになっていたけど、「未知の感染症」を引いたら、9枚も没収されてしまった。株券を持っていたら「配当」を引くと現金がもらえることを狙ってたんですが・・・
これらのコメントからは参加した生徒さんたちが直感的に金融や資産形成について学びを始めることができた様子が伝わってきました。ゲームの後に実施した講義ではそれぞれの資産の解説や資産形成するにあたって複利効果の大きさなどを解説しました。多少なりとも理解が深まったのか、2回目のゲームは回転率が高まり3回目に突入したテーブルもありました。
8割が資産運用に興味
今回の授業で8割の生徒さんが資産運用について興味を持ってくれました。また将来において資産形成が必要だと感じている生徒さんが7割を超えたことも分かりました。
またアンケートでは初めて知ったことについて質問したところ「投資信託」との回答が複数ありました。将来の資産形成に向けて選択肢があることを少しでも認識してもらえたのであれば、今回の授業も成功だったと言えそうで嬉しかぎりです!