【QUICK Money World 辰巳 華世】株式投資初心者の場合、株式投資に興味はあるけれど、何を選んで良いのか分からない人が多いと思います。今回は、そんな株式投資初心者向けに、株とは何かの基本的な説明と 知るべき用語10選 とともに、QUICK Money Worldを使った銘柄探しの具体的な方法を紹介します!
「為替と株の値動きです」の株って何なの?
テレビのニュースなどで「為替と株の値動きです」という表現をよく耳にしますが、この株って何を指しているか分かりますか?これはいわゆる、上場している株式のことを指しています。もっと端的に言ってしまうと、「日経平均株価」や「東証株価指数(TOPIX)」などを指していることが多いです。
ここで、簡単に用語の説明をします。
①日経平均株価とは
日経平均株価とは、日本経済新聞社が公表している日本を代表する株価指数の一つです。東証プライムに上場している約2000ある個別銘柄の中から基準をクリアした225銘柄を選び算出し公表しています。「日経平均」や「日経225」とも呼ばれています。
②TOPIXとは
東証株価指数(TOPIX)とは、東京証券取引所が公表している日本を代表する株価指数です。原則、プライム市場の全銘柄の時価総額を指数化しています。株式市場全体の動きを表すものです。
日経平均もTOPIXも相場全体の動きが分かる株価指数ということです。
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「為替と株の値動きです」の株は、相場全体の動きが分かる株価指数を紹介しています。東証プライム市場には約2000銘柄の個別銘柄が上場しています。ニュースの中で、その株の一つずつの値動きを紹介するには膨大な時間が必要で現実的ではないうえ、個別銘柄の動きはそれぞれ違うので全体を把握することはできません。「単純平均」か「加重平均」か指数の算出方法に違いはありますが、ニュースなどで使われる「株の値動き」の株は、日経平均やTOPIXなど全体の動きを把握できる株価指数が使われます。
さて、個別銘柄と言う言葉がでてきましたが、そもそも株式とは何か?を簡単に見てみましょう。
株式とは、株式会社が資金を出資してもらった人に対して発行する証券のことです。企業は投資家から出資してもらった資金をもとにビジネスを展開し、投資家はその企業の株を取得します。企業は株式を発行することで資金調達することができます。
その株式が上場しているのが個別銘柄です。例えばトヨタ自動車(7203)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)など個別の企業の株式のことを指しています。
例えばトヨタの株式を買うとトヨタの株主になります。株主となることで、株主総会に出席できたり、配当を受け取る権利が得られます。業績が良ければ株価が上昇して売却益を得られる可能性もあります。
ここまで「為替と株の値動き」の「株」について説明したので、為替についても簡単にふれておきます。
③為替とは
ニュースで言う為替とは、外国為替のことを指しており各国の金利の動きと密接な関係があります。外国為替とは異なる通貨を交換することです。企業が海外と取引をしたり、外国証券投資をしたり、個人でも海外旅行に行く時など円だけで取引できない場面では、通貨を交換する必要があります。
「前日比45銭円高・ドル安の1ドル=145円35〜45銭」など聞いたことがあると思います。この表現はドル・円の為替ですが、通貨ペアにはいろいろな組み合わせがあります。
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ファーストステップ ひとつの銘柄を深く知ろう
④配当利回り
購入した株価に対して一年間でどれだけの配当を受け取ることができるかを示したものです。数字が高いほど、得られる配当も多くなります。予想配当利回りはあくまで予想配当金から試算した数値です。会社側が予想配当金額を開示していたとしても増配や減配が発表される場合もあるので注意が必要です。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価格×100
配当利回りは、株価によって上下します。年間配当金額が同じで、購入価格が高いと配当利回りは下がり、逆に購入価格が低いと、配当利回りは上昇します。分母が株価なので株価が下がると相対的に利回りが高くなります。
⑤PER
Price Earning Ratioの略語でピーイーアールと読みます。日本語では、株価収益率です。PERは企業の現在の株価が「割高」か「割安」かを判断する時に使われます。
PER(倍)=株価÷1株当たりの利益
1株当たり利益は、損益計算書(P/L)の当期純利益を発行済株式数で割ったものです。株価を1株当たり利益で割ることで、PERは1株当たり利益の何倍まで株価が買われているかを示しています。
⑥PBR
Price Book-value Raitoの略語でピービーアールと読み、日本語では株価純資産倍率です。
PBR(倍)=株価 ÷ 1株当たり純資産
PBRは理論上の資産価値に対して株価がどれくらいの水準にあるかを判断する指標です。
PBRの目安は1倍です。PBRが1倍ということは、投資先の企業が解散しても理論上は投資したのと同じ金額が戻ってくることを意味しています。PBRは数が大きい程、割高となります。
東京証券取引所が2023年3月、プライム市場およびスタンダード市場の全上場会社を対象として「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請したことで、PBRという文言を目にする機会が増えました。ただ、PBRが1倍を超えていれば「資本コストや株価を意識した経営」への対応が不要になるわけではないと東証は途中経過に関する公表資料で指摘しています。機関投資家からは、期待収益率(資本コスト)を自己資本利益率(ROE)や投下資本利益率(ROIC)が上回っているか、企業の収益性に対する意識向上を求める声が少なくないようです。
⑦時価総額
企業の規模を表す指標です。
時価総額=株価×発行済株式数
基本的に発行済株式数は日々変動しないので、株価の動きとともに変化する値です。株価が上昇すると時価総額も大きくなり、その企業の会社全体の価値が高まっていることになります。
時価総額はその会社の値段です。理論上では、その会社は時価総額の値段で買うことができます。時価総額はM&A(合併・買収)をする時などにも使います。
⑧通期売上高
企業が一年を通じて、サービスや物を販売することで稼いだ売上金額の総額のことです。売上高が高いほど、稼いでいます。企業が発表するP/Lの一番上にくる数字で、そこから経費などを差し引き最終的な利益を算出します。売上高は、企業がどれだけ利益を出しているかを計算する源泉でありとても大切な数字と言えます。
⑨自己資本比率
企業の総資産に占める自己資本の割合を示した財務指標です。一般的に企業の総資産は、純資産(自己資本)と負債に分けられます。純資産とは返済する必要がない資産であり、自己資本比率とはこの割合を示しています。
自己資本比率(%)=純資産÷総資本×100
自己資本比率の数字が高いほど、負債の比率が低く財務の安全性が高い企業と言えます。
⑩決算
一定期間の収入・支出を計算して利益や損失を計算する言わば企業の成績のことです。本決算と呼ばれる1年間の決算から半期、四半期、月次があります。日本の上場企業は現在、1年間を通じた通期決算短信の公表だけでなく、3カ月ごとの四半期決算短信の公表が義務付けられています。つまり、年4回決算を発表します。親会社だけでなく、国内外の子会社や関連会社を含めたグループ全体の決算は「連結決算」から把握できます。一般的に決算書と呼ばれるものは「貸借対照表」、「損益計算書」、「キャッシュ・フロー計算書」の3種類です。
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セカンドステップ 他の銘柄と比較しよう
ここからは、これまで説明した指標を使って銘柄を探す方法について具体的に見ていきましょう。
パターン① まったく見当がついていない人
上場している企業には、さまざまな業種の企業があります。何を買ったら良いのかまったく分からない場合は、どの「業種」から探すかを決めましょう。自分の職業や趣味に近いなど身近な業種を選ぶと分かりやすいでしょう。
さて、業種は決まったものの、その先はどうしたら良いのか困ると思います。QUICK Money Worldには、「業種で探す」や「簡単業種分析」など便利な機能がありますので使ってみましょう。
例えば、「食品」業界で探す方法を見てみましょう。
◯「業種で探す」
業種で探すから「食品」をクリックすると、食品銘柄のリストが表示されます。
その中から気になる銘柄をクリックすると、その銘柄の細かい情報がわかるページが表示されます。
◯「簡単業種分析」
簡単業種分析は、その業界での「売上高」や「時価総額」上位の銘柄が一目で分かりとても便利です。どんな銘柄があるか分からない人でも、その業界での売上高や時価総額のランキング上位銘柄が表示されるので銘柄選びがしやすいです。
QUICK Money Worldサイト上部の個別株式・株価にカーソルをあてると下記画面が出てきますので、分析ツールの中から「簡単業種分析」を選択して下さい。
食料品の時価総額上位の銘柄が描画されます。
気になる銘柄をクリックすると、詳細ページの項目が出てくるので、そちらから個別銘柄の細かい情報を確認することができます。
パターン② 業種はすでに決まっている 個別株を検討したい方
すでに業種が決まっていて、個別株を検討したい方は、上記で紹介した「業種で探す」や「簡単業種分析」から個別銘柄を探してみましょう。
ここで、先程紹介した財務指標を使って銘柄を選んでみましょう。その際、一つだけの項目に注目するのではなく、複数の項目に着目することが大切です。例えば、売上高の一つの項目に着目し、売上高が大きいから良い銘柄だと判断するのは危険です。自己資本比率をみることで財務不安がないか確認できます。配当利回りはどうなのか?など複数の項目に着目し総合的にみていく必要があります。
また、同じ業種内で銘柄を比較してみることも大切です。それぞれのPER、PBR、配当利回りを比べてみましょう。比べることで、業界内でのだいたいの水準感が把握でき、この銘柄は業種内で比較的、配当利回りが高いなど目星がついてきます。
時価総額や売上高に着目してみると、企業規模で銘柄をしぼることができます。時価総額や売上高が大きい大企業から選ぶのか、それとも小粒の成長企業を探すのかなど目星をつけることができます。
パターン③ 買いたい個別株は決まっている……けど買い時が分からない
買いたい銘柄が決まっているけど、買い時が分からない人もいるでしょう。買い時を判断するのは、とても難しいです。どこが一番の安値かを判断するのは至難の業かもしれません。ただ、ピンポイントに安値を判断するのは難しいですが、その銘柄の安値圏を見極めることはできます。
まず、その銘柄についてよく知る必要があります。決算内容など業績や最近の新製品の状況など企業のニュース、株式分割や増資などファイナンス状況などその銘柄の最近の動きを把握します。
チャートを使って今の株価水準がどういう位置にあるのかを把握してみましょう。チャートは日足、月足、年足と期間を切り替えられますのでそれぞれ見てみましょう。そして、その銘柄が現在、マーケットでどういう評価にあるかを財務指標を使って分析します。PERやPBR、配当利回りが業種内の他の銘柄に比べて割安な水準なのかどうかを見極めます。
それから、マーケット全体の雰囲気も大切です。マーケット全体に勢いがある場合、過熱感が高まっていて実態より買われすぎているケースもあります。
ピンポイントに一番の安値を特定するのは難しいですが、いろいろな情報を総合的に分析するとその銘柄が実際の実力以上に売られ過ぎている感じや安値圏で推移しているなと判断することができます。
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