【日経QUICKニュース(NQN)】米金利先物の値動きから米政策金利を予想する「Fedウオッチ」では、2月末に一時6割を下回った「6月までに利下げ」予想の確率が74%まで回復した。米サプライマネジメント協会(ISM)が1日に発表した2月の米製造業景況感指数は前月比1.3ポイント悪化の47.8だった。好不況の分かれ目である50を下回ったままで、市場予想からも下振れした。これをきっかけに利下げ観測が持ち直した。
1日時点のFedウオッチにおける6月11、12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利予想をみると、現行の5.25~5.5%のままとの予想の確率は26%へ低下した。2月末には一時的に4割を超えていた。
一方、現行の政策金利を0.5%下回る4.75~5%の予想の確率は16.6%へ高まった。1回あたりの利下げ幅が0.25%だとすれば、この予想は「5月(4月30日、5月1日)のFOMCで利下げを開始し、6月も連続利下げ」という見方ととらえられる。
6月FOMC後の政策金利が現行を0.25%下回る5~5.25%の確率は1日時点で56.8%と前の日から小幅に上昇した。「利下げは6月開始」との見方を反映するこの予想は引き続き「メインシナリオ」といえ、その確率は一時的に5割を下回った2月末から再び勢いを取り戻しつつある。
FOMCは今月19、20日に開催後、5月、6月と続く予定だ。Fedウオッチでは今月のFOMCを巡っては「据え置き」が現時点で96%の確率とほぼ確実視されている。6月FOMC後の政策金利予想で「5~5.25%」と「4.75~5%」を合わせたうえで、現時点では確率がほぼゼロながら「3月から利下げ」を意味する「4.5~4.75%」の確率も加えると「6月までに利下げ」の予想となる。