13日に発表された5月のQUICK月次調査<株式>は、国内企業の決算発表シーズン、米国FOMC・雇用統計を経たGW明けに行われた。5月末、7月末の日経平均株価の予想については、38,000円台が予想され、しばらくは揉みあいを想定している参加者が多いようだ。企業業績の2025年3月期の見通しについては保守的な見通しが目立つこともあり、株式市場は、一足早く梅雨入り模様か。
【様子見姿勢、強まる】
米国金融政策スタンスの見極めや保守的な企業業績予測もあり、市場参加者も材料不足で視界不良のようだ。「引き上げる合計:かなり引き上げる+やや引き上げる」vs「引き下げる合計:やや引き下げる+かなり引き下げる」の比率の推移を2023年12月調査から2024年5月調査の6カ月間で確認する。
この結果からは、当面のスタンスを「引き上げる」、「引き下げる」ともに低下、市場参加者の様子見姿勢は強まってきている。現状維持もこの半年では最高の71%まで高まった。
【日銀の利上げを織り込む】
5月調査でのセクター別投資スタンスの変化を確認した。医薬・食品、自動車、公益セクターのウエート下げ、金融のウエート上げが顕著だ。自動車は、トヨタ自動車が24年3月期の連結最終利益が5兆円に迫る最高益を更新したものの、足元での円安にも関わらず、25年3月期は前期比27.8%減の3兆5700億円に減る見通しを出した影響が大きそうだ。一方で、市場参加者はマイナス金利を解除した日銀が早ければこの夏にも利上げを行う予想も出ていることから金融株への期待を膨らましているようだ。
【ペンネーム:コモちゃん】
調査は5月7~9日にかけて実施し、株式市場関係者132人が回答した。
QUICK月次調査は、株式・債券・外国為替の各市場参加者を対象としたアンケート調査です。1994年の株式調査の開始以来、約30年にわたって毎月調査を実施しています。ご関心のある方はこちらからお問い合わせください。>>QUICKコーポレートサイトへ