国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF=を除く)を対象に8月の資金動向を分類別に集計したところ、主に海外株式に投資するファンドは設定額から解約額を差し引いて8538億円の流入超(推計値)だった。前月7月(約1.5兆円の流入超、確報値)を大きく下回り、月間では新NISA(少額投資非課税制度)が始まった今年1月以降で最低になった(図表1)。
ほかの分類と比べて海外株式型への資金流入額が多い状況は、これまでと変わりはない。ただ、株式相場が急落した8月上旬に一時的に解約が膨らんだとみられ、月間の資金流入額も減少した。
一方、国内株式型は8月に2885億円の資金流入超と、前月の確報値(約1900億円の流入超)の1.5倍近くに増加した。新NISA開始後では4月の(約3200億円)に次いで2番目の規模。4月と同様に、8月も国内株式型には株価急落局面で逆張りの買いが入ったようだ。
海外株式型投信を個別にみると、7月に資金流入額が多かったファンドは、8月に軒並み資金流入ペースが細った(図表2)。新NISA向けでも人気の「eMAXIS Slim」シリーズの「全世界株式(オール・カントリー)」(通称:オルカン)は、資金流入額が7月の約2200億円から8月は約1500億円に減少。同シリーズの「米国株式(S&P500)」は約2000億円から約1100億円に減った。
資金流入額の減少率が特に大きかったのは、インド株に投資するタイプ。「HSBC インド・インフラ株式オープン」は7月に約530億円が流入したが、8月は約90億円にとどまった。