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スイングトレードとは? 取引のコツや適した指標を紹介

記事公開日 2024/10/17 16:30 最終更新日 2024/10/23 17:31 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

【QUICK Money World 辰巳 華世】資産運用・投資にはいくつかのトレード(取引)スタイルがあります。今回紹介するのはスイングトレードです。スイングトレードは、相場の流れを読みながら売買し、初心者でも比較的簡単に使えるトレードスタイルです。スイングトレードの基本的な説明や、手法、メリット・デメリット、スイングトレードに適した投資対象の選び方などスイングトレードに役立つ情報を紹介します。

スイングトレードとは?

スイングトレードとは、数日から数週間程度で取引を完了させるトレードスタイルの一つです。スイングの英語表記は「swing」で、「前後、左右に弧を描くように揺れる」ことを意味します。

株式投資などで用いられる売買スタイルで、現物取引でも可能ですが、資金効率などを考えるとレバレッジを効かせた信用取引(資金や株式の借り入れを活用した実際の資金の何倍もの取引)に適した手法です。外国為替証拠金取引(FX)の売買でも活用されています。今回は株式でのスイングトレードを中心に説明します。

株式でもFXでも同じですが、トレードスタイルにはいろいろな種類があります。一日の取引時間の間に取引を終了させるデイトレードや、10年から40年など長期的な視点で運用するスタイルなど様々あります。トレードスタイルの違いは、基本的には、売買期間の違いです。売買期間が異なることで、それぞれのトレードスタイルで見るべきポイントなど注意する内容も異なってきます。

今回紹介するスイングトレードは、数日から数週間程度と短期トレードが基本であり、トレンドの底と天井を見極めることが大切です。特にテクニカル分析が重要とされ、チャートの小さい変化を見抜いて売買を繰り返すトレードです。

スイングトレードの手法

スイングトレードの基本はチャート分析です。いろいろなテクニカル指標を使ってトレンドを掴むことが大切です。スイングトレードで役立つ具体的なテクニカル指標については後述します。

スイングトレードでは、チャートに沿った売買をします。「安く買い、高く売る」か「高く売り、安く買い戻す」が基本です。株価の天井と底を探ることが大切になります。

ただ、ピンポイントに底値や高値を見つけることは難しいので、相場が下がってきた底値近辺で買いを入れ、高値から下落し始めた高値近辺で売りを入れるなどいわゆる「逆張り」の取引になります。

株価は波のように上下しながら動きます。上昇トレンドでも、株価は一本調整で上昇するわけではなく、上がったり下がったりを繰り返しながら上昇します。

上昇トレンドの場合、それぞれの波の安値を結んだ線である下値抵抗ラインと、高値を結んだ線である上値抵抗ラインが右肩上がりになります。上昇トレンドでは、下値抵抗ラインを頼りに買いを入れ、上値抵抗ラインに近づいたら売りを入れる売買をします。下落トレンドの場合はその逆で、上値抵抗ラインに近づいたら信用売りをし、下値抵抗ラインに近づいたら買い戻します。

一般的にトレンドが発生すると潮目が変わるまで同じトレンドが続く傾向があります。しばらくトレンドが継続する傾向があるので、トレンド発生中は、スイングトレードが行いやすいです。

デイトレードやスキャルピングとの違いは?

スイングトレードは、トレードスタイルの一つで数日から数週間で売買します。先程説明した様にトレードスタイルには様々な種類があります。トレードスタイルの違いは、基本的に売買期間の違い、つまりポジションを持つ期間の違いです。

 「デイトレード」や「スキャルピング」なども良く聞くトレードスタイルです。デイの英語表記は「1日」を意味する「day」、すなわち1日の取引時間中に売買を完結させます。一方、スキャルピングの英語表記は「Scalping」で、「頭皮を剥ぐ」という意味があります。薄い皮を何枚も剥ぐように、わずかな利幅を狙った細かい取引によって収益を積み重ねる、数分単位の取引です。

それぞれのトレードスタイルは、保有期間が異なるので、狙える利益や取引回数が大きく違います。

スイングトレードのメリット

ここからはスイングトレードのメリットを紹介します。スイングトレードのメリットは主に3つあります。

常にチャートを見る必要がない

スイングトレードは、数日から数週間で売買するトレードスタイルです。そのため、1日で取引を完了させるデイトレードや数分程度で売買するスキャルピングの様に、常にチャートを確認する必要はありません。仕事で忙しい会社員や家事や育児に多忙な人などにも適したトレードスタイルです。

短期間で成果を確認できる

スイングトレードは、じっくりと投資する中長期の投資に比べて売買期間が数日から数週間と比較的短いので、短期間で成果が出やすいです。運用期間が短いので、短期間で勝負したい人や運用成果を出したい人に適しています。

資金の効率がよい

短期間に売買を繰り返すデイトレードやスキャルピングに比べると、売買回数が少ないので手数料を抑えることができ資金効率が良いです。

手数料分だけ取引に回せるので、利益率の改善も期待できます。ある程度まとまった資金を投入すれば、短期間で大きな利益を狙うことも可能な取引です。

 

スイングトレードのデメリット

スイングトレードのデメリットも把握しておくことが大切です。

決済を翌日以降に持ち越す場合がある

スイングトレードは、短期間で取引が完了するデイトレードやスキャルピングとは違い、翌日までポジションを持ち越します。その日の夜に大きな材料が出て相場の流れが変わる可能性もあります。スイングトレードは数日から数週間の売買なので、時には、週をまたぐこともあり、週明けの値動きには特に注意が必要です。週末にかけてネガティブなニュースが起こった場合、チャートが急変する恐れもあります。

損切りのタイミングが難しい

スイングトレードは、損切りのタイミングに注意が必要です。数日から数週間単位でポジションを持つため、何か材料が出てその間に相場の流れが変わる可能性もあります。慣れないうちは、損切りするタイミングを逃してしまうこともあります。損失が出ても「まだ大丈夫」と思ってしまった結果、大きな損失を抱えるリスクもあります。

中長期取引より手数料の負担は多い

スイングトレードは取引回数が少ないとはいえ、中長期取引に比べ手数料の負担割合は大きいです。中長期取引は年に数回取引する程度ですが、スイングトレードは月に数回取引が発生します。その分手数料が増えるため、手数料が安い証券会社の利用を検討した方が良いです。

市場の取引時間外に価格が変動することも

スイングトレードは、翌日や時には週をまたいでポジションを持ち越すことも多いです。市場の取引時間外に大きなニュースがあり、価格が変動し損失が生じるリスクがあります。時間外は基本的に取引できないので、気が付いたら含み損が膨れ上がっていることもありえます。ある程度利益が出たら、ポジションを手仕舞いして利益確定させることも大切です。

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スイングトレード向きの銘柄の選び方

スイングトレードをする時に最初にやるべき大切なことは銘柄選定です。スイングトレードには、買いたい時や売りたい時にきちんと売買ができる流動性の高い銘柄が適しています。特に、出来高上位の銘柄は流動性が高いので、スイングトレードには最適です。

ネット証券などのサービスにあるスクリーニング機能を活用し銘柄を抽出してみましょう。スイングトレードでは特にテクニカル指標を重視します。MACDやRSIなどのテクニカル指標でスクリーニングしてみるのも一つの手です。

また、トレンドが上昇傾向の銘柄を探し取引するのが良いでしょう。順張りで利益を狙え、反転後は逆張りで買うことも可能です。テーマ株なども比較的短期間に株価が変動するので、スイングトレードで利益を狙いやすいです。

ただ、あまりにたくさんの銘柄でスイングトレードをすると管理するのも大変なので、多くても銘柄は2,3銘柄に絞り取引すると良いです。

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スイングトレードのコツ

ここでは、スイングトレードをする際のコツを紹介します。

損切りルールを決める

どんな取引にも言えますが、損切りルールを予め決めておくことは大切です。特にスイングトレードは損切りのタイミングで迷いがちです。

予めルールを決めておくことで、迷うことなく機動的に売買することができます。一定の株価水準になったらお知らせしてくれるアラーム設定などいろいろなサービスがありますので、各種サービスを活用していきましょう。

チャートを見てトレンドを掴む

スイングトレードは、チャート分析が基本です。チャートをじっくりと観て、トレンドを掴むことが大切です。株価の底値近辺と天井近辺を見極め、売買のタイミングを判断しましょう。トレンドが発生するとしばらくそのトレンドが継続する傾向がありますが、やがて潮目が変わるタイミングもやってきます。潮目が変わる様なシグナルも見逃さないように気をつけましょう。

テクニカル分析を行う

しっかりとテクニカル分析をすることも大切です。一つのテクニカル指標だけでなく、複数のテクニカル指標で分析することで精度を高めることも重要です。今後、株価がどの様に動くか、いろいろな指標を活用して分析しましょう。

 

スイングトレードに適した指標

スイングトレードに適した指標を紹介します。

移動平均線

一定期間の価格変動を折れ線グラフ化したものです。シンプルで一目で分かりやすく、価格動向やトレンド分析ができます。

一目均衡表

5本の線と線に囲まれた「雲」とローソク足を組み合わせて分析します。日本人によって考案されたテクニカル指標です。価格や期間を元にしたトレンドの予測が可能です。

相対力指数

売られすぎ・買われすぎを判断するための指標です。RSIとも呼ばれ0〜100までの数値を取ります。一般的に70から80%以上で買われすぎ、20から30%以下で売られすぎと判断します。

トレンドライン

相場の方向性を分析するためにチャート上へ引く線のことです。今後のトレンドの変化を予測する際に便利です。チャートの波の高値同士、底値同士を結んでトレンドを判断します。この後説明する水平線は、字のごとく水平に線を引きますが、トレンドラインは傾きがでます。

水平線

チャート上の安値同士、高値同士を水平に結んだ線のこと。安値同士を結ぶ線をサポートライン(下値抵抗線)、高値同士を結ぶ線をレジスタンスライン(上値抵抗線)と呼びます。チャートが各線に達した場合、トレンドが反転すると予想することができます。

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まとめ

スイングトレードとは、数日から数週間程度で取引を完了させるトレードスタイルの一つです。トレンドの底と天井を見極めることが大切です。特にテクニカル分析が重要とされ、チャートの小さい変化を見抜いて売買を繰り返すトレードです。チャート分析ができれば、投資初心者でも活用でき利益が狙えるトレードです。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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