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円高はなぜ起きる?今、円高が起きている要因とは?円高の要因について分かりやすく解説します!

記事公開日 2024/10/24 16:30 最終更新日 2024/10/24 16:30 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

市場用語再点検!円高はなぜ起きる?

【QUICK Money World 辰巳 華世】1ドル160円台と歴史的な円安水準で推移していたドル円相場は8月以降、円高・ドル安基調に反転し円高傾向が強まっています。今回は、円高の基本的な説明から、円高が起こる要因、今回の円高・ドル安の流れがなぜ起きたのかについて解説します。

円高について詳しく説明する前に、外国為替の用語について確認しておきましょう。外国為替とは異なる通貨を交換することです。例えば皆さんが海外旅行に行くときに日本円を旅行先のドルに交換することです。円とドルを交換する時に、「円高」なのか「円安」なのか意識されますよね。

円高・円安とは外国為替に対して日本の通貨である円の価値が高いか低いかを表しています。詳しい仕組みは後で説明しますが、為替相場では、交換する2つの通貨はシーソーの様な関係であると覚えておいて下さい。円高であれば相手の通貨であるドルは「安」となる関係です。つまり、表現の組み合わせとして「円高・ドル安」か「円安・ドル高」の2パターンになります。「円高・ドル高」や「円安・ドル安」といった両方が高くなったり、安くなったりはしません。

 

円高とは

円高とは、外国通貨に対して円の価値が高くなっている状態を指します。先ほど説明した様に為替相場では、交換する2つの通貨はシーソーの様な関係なので、ドル円で考えた場合、円高ということは、相手の通貨であるドルは「安」になります。円高・ドル安です。

さて、円高を理解するためには為替の表現に慣れる必要があります。円の価値が「高い」と聞くと、一般的な日本語の感覚では円の数字が大きくなると想像するかもしれませんが、為替の世界ではそれは間違いです。

円高の状態を具体的な数字で表すと、例えば1ドル160円だったドル円レートが1ドル125円になることです。160円が125円と数字が小さくなるのに「高い」と表現することに違和感を覚えるもしれませんが、為替の世界の表現では数字が小さくなる方が「高い」と表現されます。ただ、表現が意味することや理屈が分かれば納得できますので具体例を入れて見てみましょう。

円高とは、1ドルを手に入れるのに160円必要だったのが、1ドルを手に入れるのに125円で交換できることです。円から見ると、少ない円でドルと交換できるので、ドルの価値が下がっていることになります。ドルが安くなっているということです。

もう少しイメージしやすいように具体的な設定で考えてみましょう。

ハワイ旅行に行くあなたは、空港で日本円をドルに交換することにします。10万円をドルに交換することにしました。1ドル=160円の時、10万円をドルに交換すると625ドルになります。一方、1ドル=125円の時には、10万円は800ドルになります。

1ドル=160円と1ドル=125円を比べた時、円高である125円の時の方が多くのドル(625ドル<800ドル)を手に入れることができます。同じ額の10万円をドルに交換したのに、円高の方がハワイでより多くのドルを使えますね。

円高の状況とは、より少ない円で多くのドルと交換ができる状況です。つまり、ドルの価値が下がり(安くなり)、円の価値が上がる(高くなる)ことになります。ドルと円の関係は、ドルが安く円は高い、シーソーの様な関係になっていますね。

「高い」という表現に惑わされて数字だけの感覚で判断してしまいそうになりますが、それは間違いということが分かったと思います。円高の「高い」は、より少ない円で多くのドルと交換できること、円の価値が高い(上がっている)状況を表しています。

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円高の要因

為替相場は需要と供給のバランスで動いています。為替相場は世界中の市場が繋がる形で24時間取引が行われています。

為替相場は様々な理由で動きます。一般的には、下記の要因があります。

・輸出や輸入など貿易の増加
 ・物価や金利の変動
 ・国の経済や財政状況
 ・投機的な動き
 ・政府や中央銀行による市場介入など

があります。今回は、一般的な要因の中から円高になる場合について見てみましょう。

輸出の増加

貿易には必ず為替が関係します。輸出の増加は円高要因になります。日本の物やサービスを外国に売る場合を考えて見ましょう。例えば日本製品を輸出し、米国で販売した場合、日本企業はドルで販売代金を受け取ることになります。ドルで受け取った代金を日本円に交換する機会が増えます。日本円を欲しがる人が増えれば、需要の高まりから日本円が値上がりする、つまり円高傾向になります。

物価や金利の変動

投資に関係するマネーの動きも為替に大きな影響を与えます。投資マネーはより運用効率が良い方に流れる傾向があります。例えば、日本の銀行金利が8%、米国の銀行金利が3%だったとします。あなたが投資家だったらどっちの銀行に預けたいですが?8%の日本の銀行に預けた方が多くの利子が付き運用効率が良いですよね。同じ様に世界の投資マネーも良い条件の国に投資をします。この場合、ドルを持っている投資家は、持っているドルを円に交換する必要があります。その結果、円の需要が高まり、円高傾向になります。

国の経済や財政状況

投資マネーはより安全な通貨を好む傾向があります。例えば、政治や経済が不安定な国は、先々どうなる不透明です。不安定な国の通貨を持つよりも安定している国の通貨を持つ方が安心です。日本の政治や経済が安定していると、円高になる傾向があります。

 

投機的な動き

為替市場には様々な投資家が参加しています。金融機関や年金基金、ヘッジファンドなど投資や投機筋の参加者もいます。為替相場ではさまざまな思惑が働きます。そういった思惑から投機的な円買いなどが起こり円高に動くこともあります。

政府や中央銀行による市場介入など

どの国にとっても、自国通貨が高すぎたり安すぎたりすることは好ましい状況とは言えません。そういった行き過ぎた状況になった時に、必要と判断すれば中央銀行などが為替市場で通貨売買をすることがあります。これを市場介入や為替介入と言います。例えば、行き過ぎた円安と判断されれば、中央銀行である日銀による市場介入がある場合があります。1ドル160円台と歴史的な円安水準で推移していた2024年前半には日銀による為替介入が実施される場面がありました。

また、為替相場は、政府要人の発言や予想とは異なる経済指標の発表などによって突発的に動くこともあります。

これまで説明した様に為替相場は様々な理由で動きます。その時々の状況で変動要因も異なりますし、必ずしも一つだけが理由とも限りません。その時々で状況を分析し何が要因かを考えていくことが大切になります。

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なぜ今、円高が起こっているのか

1ドル160円台と歴史的な円安水準で推移していたドル円相場は、8月以降、円高・ドル安傾向が強まっています。円安から円高への反転の大きな理由は、日米金融政策の方向性の違いから今後は大きく開いていた日米金利差が縮小することが意識されているからです。今回の円高は、先ほど説明した金利変動が主な要因になります。

2024年5月以降のドル円相場

>ドル円のチャートはこちら

日本では日銀が7月30~31日の金融政策決定会合で追加利上げを決定しました。今後の利上げ見通しについても、日本政府が9月3日に開いた経済財政諮問会議で、植田和男総裁は経済・物価の見通しが実現していくようなら「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整」するとの姿勢を改めて示しておりこの先の追加利上げが意識されています。

一方、米国では利下げが意識されています。米連邦準備理事会(FRB)は9月18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを決めました。政策金利の引き下げは2020年3月以来、4年半ぶりです。

これまで日米金利差が拡大していたことで、金利が低い日本国債で運用するより米国債で運用する方が得だったので、投資家は円を売ってドルを調達し米国債で運用する円キャリー取引の流れができていました。今後は、日米の金融政策の方向性の違いから日米金利差が縮小することで、これまでの円キャリー取引の巻き戻しが起こり円高・ドル安の傾向が強まっています。

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まとめ

円高とは、外国通貨に対して円の価値が高くなっている状態を指します。その時々の状況で変動要因も異なりますし、必ずしも一つだけが理由とも限りません。

今回の円高・ドル安の流れは、日米の金融政策の方向性の違いからこれまで大きく開いていた日米金利差が縮小することが意識されていることが理由です。次の記事では、円高の株価への影響と関連銘柄について紹介します。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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