【日経QUICKニュース(NQN)】日銀が12月11日に発表した11月の国内企業物価指数(2020年平均=100)は124.3で、前年同月比3.7%上昇した。QUICKがまとめた市場予想の中心(3.4%上昇)を上回った。伸び率は10月の3.6%から拡大し、23年7月(3.7%上昇)に並ぶ高さとなった。指数水準は3カ月連続で過去最高だった。再生可能エネルギーの普及のため国が電気代に上乗せする再エネ賦課金が24年5月から引き上げられたことが前年同月比プラスに寄与したほか、玄米など農林水産物の大幅な伸びが指数を押し上げた。
企業物価指数は企業間で売買するモノの価格動向を示す。再エネ賦課金の引き上げの影響で電力・都市ガス・水道は、前年同月比9.2%上昇と、10月(5.9%上昇)から伸びが拡大した。肥料や輸送費など諸コストを価格転嫁する動きが続いた玄米や、鍋物需要など季節性の動きがみられた牛肉など農林水産物も高い伸びが続いた。銅やアルミニウムなどの市況上昇を映し、非鉄金属も押し上げに影響した。
日銀が公表している515品目のうち、前年同月比で上昇したのは388品目、下落は100品目だった。
円ベースの11月の輸出物価指数は前年同月比2.2%上昇、前月比でも1.7%上昇した。円ベースの輸入物価指数は前年同月比で1.2%下落した。前月比では1.5%上昇だった。