2月の日経平均株価は米国発の相場急落に見舞われ、月半ばに2万1000円の大台を一時割り込んだが、月末にかけては強含みの推移となり、25日移動平均(2万2446円)奪回が目前に迫った。米国株安の影響できょうは反落して始まったが、押し目買いのスタンスが望ましいかもしれない。その根拠として挙げたいのが、月初特有の上昇アノマリーだ。
日経平均は2016年7月~2018年2月にかけて、月最初の営業日は20日連続での上昇を記録したが、これを偶然の産物として片づけるのは難しい。要因としては諸説があるようだが、積み立て投資による買い付けの影響もあるようだ。積み立て口座の買い付け日の設定は月初に設定されるケースが多いとされる。
2018年からは「つみたてNISA」がスタートしたのも追い風になっているようだ。「つみたてNISA」は、積立投資において生まれた利益を長期にわたって非課税にすることで安定的な資産形成を支援しようという制度。
年間投資可能額は40万円で20年間有効であることから最大800万円分が非課税対象となり、現行NISA(120万円×5年間=600万円)に比べてお得感があるとの声がある。今後、つみたてNISAを利用する投資家が増加し、年間40万円分の均等額(月に約3万3000円)を月初に買い付け指定するとなれば、そのインパクトは計り知れない。
日経平均は年初来でマイナス圏に沈むなどさえないが、1月の月初は3.26%高、2月の月初は1.68%高とこれまでの上昇率を凌駕したのは、「つみたてNISA」がスタートしたことと無関係ではなかろう。そうであれば、今後も月初上昇のアノマリーは続くかもしれない。
つみたてNISAの対象となるのは、基本的には日経平均またはTOPIX連動のインデックスファンドが大半で、あとは先進国や新興国の株式インデックスファンド、債券型やバランスファンドなど。信託報酬などの選定条件が厳しいため、アクティブファンドのラインナップは乏しいが、レオス・キャピタルワークスが手掛ける「ひふみ投信」がつみたてNISAの対象となっていることに注目したい。
レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長が昨年2月放送のテレビ東京「カンブリア宮殿」に出演して以来、レオスが手掛ける銘柄は注目を集めている。
1月末に発行された「ひふみ投信」の月次報告書によれば、組み入れ比率トップは米アマゾン、2位が米マイクロソフトで、3位が三井物産(8031)、4位がSGホールディングス(9143)、5位が東京センチュリー(8439)、6位がソニー(6758)、7位が三菱商事(8058)、8位がTDK(6752)、9位が住友金属鉱山(5713)、10位が光通信(9435)となっていた。
単純に日経平均寄与度の高い銘柄を狙うのもアリだが、つみたてNISA経由で「ひふみ投信」への資金流入が加速するのならば、これらの組み入れ上位銘柄を直接手掛けてみても面白いのではないか。
ちなみに、月初上昇のアノマリーの影響なのか、月末のパフォーマンスはあまり芳しいとは言えない状況だけに、月末の下落は押し目買いの好機となりそうだ。
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