石油輸出国機構(OPEC)が22日の総会で、原油の協調減産を日量100万バレルに緩めることで合意した。政治の混乱でベネズエラの生産量が減るなどしており、実質的な増産量は100万バレルを下回ると見られている。
増産量が事前の市場予想より小幅なものになったことで、22日の米国市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)8月物は、前日比3.04ドル高の1バレル68.58ドルへ急上昇して終えた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が22日に発表した19日時点の投機筋の原油先物の買越幅は2週ぶりに縮小した。買越幅は58万947枚と2017年11月下旬以来の小ささだった。増産が見込まれていたOPEC総会に向けてロングポジションが解消されていたことも、原油価格急騰の背景にあったのかもしれない。(池谷信久)
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