8日の欧州市場で主要株価指数は総じて下落した。STOXXヨーロッパ600指数は前週末比1.11%安の372.21で終え、4月4日以来およそ半年ぶりの安値を付けた。連休明けの中国上海株が大幅安が投資家心理を冷やしたほか、イタリア予算案を巡りイタリア政府と欧州連合(EU)の対立も重荷となった。
ドイツDAX指数が1.36%安となったほか、イタリアMIB指数は2.43%安と大幅に下落した。MIB指数は20000の節目を割り込み、2017年4月21日以来およそ1年半ぶりの安値水準に沈んだ。イタリア国債利回りが3.5%台に急上昇するなか、銀行株への売りが強まった。イタリア銀行大手のウニクレディトが3.56%下げたほか、インテーザ・サンパオロも3%の下げとなった。UBSグループなど域内の金融株が全般的に軟調だったほか、ダイムラーやフォルクスワーゲンの下落率も1%を超えた。
また、8日の米国市場で原油先物は小幅に下落した。取引の中心である11月限は前日比0.05ドル安の1バレル74.29ドルだった。米国は経済制裁の再開でイラン産原油の輸入を控えるよう求めているが、インドなど一部の国をイランからの原油輸入停止の適用対象から外す検討をしているとの米高官発言が伝わった。イラン産原油の供給減に伴う需給逼迫懸念が薄れたために売りが優勢となった。一方、キューバ近辺を北上するハリケーン「マイケル」が10日にかけて米国に近付く見通し。石油関連施設が集中する地域は逸れるとみられるが、影響を見極めたいとのムードが広がった。(中山桂一)
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