19日に東証1部に上場するソフトバンク(SB、9434)は10日、売り出し価格(公開価格)を仮条件と同じ1500円に決定した。市場からの資金吸収額は約2.6兆円で、日本企業のIPO(新規株式公開)では過去最大。単純計算した時価総額は約7.1兆円にのぼり、トヨタ(22.2兆円)、NTTドコモ(9.6兆円)、ソフトバンクG(9.4兆円)、NTT(8.9兆円)、三菱UFJ(8.2兆円)、ソニー(7.2兆円)に次ぐ規模となる。
上・下限の幅がない異例の「一本値」の仮条件で、先週ブックビルディングを実施した。売り出し株式の販売比率は9割が国内、1割が海外向けだ。もともと国内の個人を主な買い手と想定しており、国内の機関投資家への割り当ては全体の2~3%、金額では600億円前後といわれていた。
ブックビルディング期間中に起きた大規模な通信障害やファーウェイ問題などで需要の盛り上がりが注目されたが、市場関係者からは「国内機関投資家の倍率は2倍台前半、海外投資家向けはおよそ3倍となっていたとみられます。やはり通信障害などの影響でキャンセルも出たようですし、倍率はやや低いように見受けられます」との声が聞かれた。(中山桂一)
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