なんとももどかしい展開が続く。日経平均株価は2万1000円を手前にして足踏み状態だ。2018年4~12月期の決算発表が佳境を迎えつつあるなか、売買代金も活況とは程遠い。
これまでの相場のけん引役だった米国株にも勢いがなくなってきた。ある市場関係者は足元のマーケットを「リスク警戒をしながらのリスクオン」とみている。安全資産の代表である金の価格がじりじり上昇。2018年10月にダウ工業株30種平均がいったんつけた天井と金のボトムが重なる点が注目されるという。
■ダウ平均と金先物
ニューヨーク金先物は1月31日には1325ドルまで上昇し、中心限月としては18年5月10日以来およそ8カ月半ぶりの高値を付けていた。ロンドンを拠点に個人向けの金オンライン取引を手掛けるブリオンボールトが個人投資家が金現物を売買したデータをもとに算出する金投資家インデックスが1月は前月比0.6ポイント高い52.6となった。6カ月ぶりの上昇となり、金価格も同時に上昇するのは2016年11月以来となる。ブリオンボールトによると、「黄色いベスト運動」の反政権デモが起きたフランスや政府機関の一部閉鎖された米国での新規顧客売買の増加が顕著だったという。
世界景気の先行指標とされるバルチック海運指数の下落を警戒する向きもある。同指数は5日までに12日続落し、前の日と比べ5ポイント低い629となった。2016年6月以来およそ2年8カ月ぶりの低水準に沈む。野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「中国景気の先行き懸念があるなか、ヴァーレの鉱山事故の影響も重荷となっている」と指摘する。(中山桂一)
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