QUICKが15日に発表した3月の企業短期経済観測調査(QUICK短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は製造業がプラス12だった。2年5カ月ぶりの低水準だった2月(プラス11)から1ポイント改善した。改善は7カ月ぶり。米中貿易摩擦による世界景気の減速懸念で景況感は昨年秋から悪化してきたが、ひとまず歯止めがかかった。
非製造業DIもプラス35と1ポイント改善。低下基調にあった全産業DIはプラス24と、2月と同じ水準だった。
製造業は先行きの景況感も改善している。米中貿易協議の進展や中国の景気テコ入れ策への期待は根強いようだ。英国の欧州連合(EU)離脱問題については「欧州全体の経済が落ち込み、世界経済に伝播する可能性がある」との声もあるが、「深刻な影響はない」との回答が全体の71%を占めた。
また製造業では円高への警戒も和らぎつつある。3月1~12日の調査期間の円相場は1ドル=110円台後半~112円台前半だった。足元の円相場の水準を「想定よりも円高」とみる製造業は6%と2月(25%)から大幅に減少。「想定よりも円安」との回答が17%に増え、3カ月ぶりに比率が逆転した。
(QUICKナレッジ開発本部)
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