QUICKが4月15日に発表した4月の「QUICK短期経済観測調査」で、製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から4ポイント改善のプラス11だった。改善は3カ月ぶり。一方、非製造業DIは5ポイント悪化のプラス29、全産業DIは4ポイント悪化のプラス23だった。製造業と非製造業の間で開いていた景況感の格差がやや縮まった。
最近の話題やトピックについて上場企業に聞く「特別質問」では、日銀のマイナス金利政策解除をきっかけとした「金利ある世界」への移行についてや、2025年春卒業予定者の採用について聞いた。
「金利ある世界」への移行を企業としてどのように受け止めているか聞いたところ、「プラス、マイナスの両面があり総合的に中立」と答えた企業が64%と多くを占めた。「金利変動は自社の事業に影響せず中立」(6%)と合わせると、回答企業の7割が「中立」とみている結果になった。
「日本経済が好転している証しなので歓迎」(14%)との前向きな評価も比較的多かった。一方、「資金調達コストが上昇するため歓迎できない」(7%)、「利上げは景気を冷やすため歓迎できない」(6%)と否定的な意見も一定数あった。
新卒採用はさらに競争激化へ
2025年春卒業予定者の採用について、24年春と比べてどのようにする計画かを聞いたところ、「増やす」との回答が36%に上った。最も多かったのは「横ばい」(41%)で、「減らす」と回答した企業は2%にとどまった。自由記入のコメントでは、「採用したくても学生が集まらない」など、競争激化を背景に計画通りの採用がすでに難しくなっているとの声が多く聞かれた。
QUICK短観は、全国の上場企業を対象に実施するアンケート調査。今回の調査期間は4月1~10日で、226社が回答した。