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FRB緊急利下げ、一定の評価と物足りなさ 日曜夜でも相次ぐコメント

記事公開日 2020/3/16 08:25 最終更新日 2020/8/7 20:34 量的緩和 QE 新型コロナウイルス 新型肺炎 FRB緊急利下げ 中銀協調 QUICK Market Eyes

QUICK Market Eyes=片平正二、大野弘貴

米連邦準備理事会(FRB)は15日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1.0%の緊急利下げに踏み切った。政策金利は0~0.25%で、2008年の金融危機以来のゼロ金利政策となった。米国債やモーゲージ債を今後数カ月にわたり7000億ドル買い入れる量的緩和(QE4)にも乗り出した。また日銀もFRBや欧州中央銀行(ECB)など6中銀と歩調を合わせ、米ドル資金を供給する枠組みを拡充することで合意したと発表した。欧米時間では日曜夜にあたる時間帯で主要中央銀行が一斉に動いた。新型コロナウイルスが世界景気へ与える影響が深刻度を増している裏返しでもある。危機モードに入りつつある中、アジアのみならず欧米市場でも関係者からもコメントが相次いでいる。

■「FRBは明らかにウイルス感染の拡大と経済混乱の激化を懸念」=ING

INGは15日付リポートで、「利下げは予定されていた水曜日のFOMCに実施されると思っていた。FRBは明らかにウイルス感染の拡大と経済混乱の激化を懸念している。そのため、明日の市場を先取りするのが賢明だと判断した」との見方を示した。
 加えて、「この措置自体は、米国経済を景気後退から救うものではないが、成長と雇用の見通しを悪化させかねない金融危機のリスクを軽減するのに役立つだろう。また、予想される財政刺激策と財務省が提供する潜在的な貸付スキームが実現する前に、一息つける余地を提供する。とは言え、今後は新型コロナウイルスに関するより良いニュースだけが、市場の「正常性」に寄与するだろう。多くの人がそうであるように、我々も新型コロナウイルスが夏までに収束するを望んでいるが、FRBはそれを当然のことと考えることはできない。結果として、今後は金融政策がいつでも変更されるという、FRBの積極的な対応を正当化するだろう」との見方を示した。

■「景気後退回避には、金融政策が財政刺激策に支援される必要あり」=DNB

DNBマーケッツは15日付リポートで、「FRBは予想される急激な景気後退に対処し、金融市場を支援し、金融情勢の継続的な悪化を回避するためにできる限りのことを行っている。したがって、金利は下限まで引き下げられ、QEもすぐに再開された。しかし、深刻な景気後退を回避するためには、金融政策は大幅な財政刺激策によって支援されなければならない可能性が高い」と指摘した。

■「財政政策や他中銀とどの程度協調するか」=ウェルズ・ファーゴ

ウェルズ・ファーゴは15日付リポートで、「この動きが、財政政策や他の中央銀行の動きとどの程度協調するかが注目される。銀行にとって、直接の影響はスプレッド型の貸し手にとってマイナスとなることから、純利鞘への圧力はさらに高まる」と指摘。
 一方、プラス面として、「こうした動きが景気減速の打撃を和らげ、資本市場の機能改善につながる可能性がある」との見方を示した。

■「FRBは更なる用意がある」=ジェフリーズ

ジェフリーズは15日付リポートで「政策立案者たちは、金曜日引け直前の株高基調を利用して市場の勢いを維持したいと考えたようだ」との見方を示した。また、「FRBのバランスシート規模は5兆ドル近辺となり、過去最高の4.5兆ドルを上回る」とも指摘した。
 加えて、FOMCの声明で「委員会は、引き続き市場の状況を注意深く監視し、必要に応じてその計画を調整する用意がある」と述べられたように、FRBは更なる用意があることも指摘。具体的には、「銀行が流動性規制を遵守するために消費者や企業への信用の流れが妨げられない様にする仕組みが、金曜日に追加で発表される可能性がある」との見方を示した。

■「経済ショックを十分に補償することはできない」=CMCマーケッツ

CMCマーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジストを務めるマイケル・マッカーシー氏は15日付のメモで「これらの動きは、金融市場の潜在的な閉塞を緩和するのに役立つかもしれないが、国境が閉鎖され、人の移動が制限される中で現在ヨーロッパ中で展開されている出来事の結果、来たるべき経済ショックを十分に補償することはできないだろう」と指摘した。その上で「ここ数週間、中央銀行はそれぞれの役割を果たしてきたが、今後、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)やG20といった国際的な政策立案者がこれらの措置を補完するために、今後数週間、数カ月のうちに大規模な財政措置を講じることができるかどうかにかかっている。金融システムが最も脆弱な欧州では、政治家が同様の措置をとらない限り、中央銀行はその影響力を失うことになるだろう」とも指摘し、今後、各国で財政政策が行われなければ経済的な悪影響を回避する上では物足りないとみていた。

■「18日まで待たなかったのは喜ばしい」=パンセオン

パンセオン・マクロエコノミクスは15日付のメモで「我々はこの行動を以前から求めてきたが、FRBが18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで待たなかったことは非常に喜ばしい。時間が肝心だ」との見解を示した。さらに「利下げとQEは他の条件が同じならすべての資産価格を押し上げ、ドルを押し下げ、マネーサプライを押し上げるハズだ」としながら、「新型コロナの拡大は国を貧しくするが、それは議会ができる限りのことをしない言い訳にはならない」とも指摘。米議会がさらに1兆ドルの経済対策をまとめるべきだと、今後は議会の対応に注目していた。

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著者名

QUICK Market Eyes 大野 弘貴

著者名

QUICK Market Eyes 片平 正二


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