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投信残高、リーマン・ショック以来の大幅減 ファンド本数は6000本割れ

QUICK資産運用研究所=西本ゆき、西田玲子

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、投資信託市場にも大きな影響が出ている。3月末時点の国内公募投資信託の純資産総額(残高)は、QUICK資産運用研究所の推計で約106.40兆円となり、前月比で9.51兆円減少した。減少率は8.2%のマイナスで、リーマン・ショック直後の2008年10月(11.06兆円減少、17.1%のマイナス)以来11年5カ月ぶりの大きさだった。3月末に向けて世界の市場が混乱し、運用が悪化したことが投信残高の減少要因となった。

投信残高としては18年12月(約105.16兆円)以来の低水準。内訳を見ると、上場投資信託(ETF)以外の減少が目立った。ETFを除いた投信残高は前月比7.70兆円減の約68.80兆円。前月比の減少率は10.1%のマイナスで、08年10月(16.9%減)以来の大きさだった。

一方、ETFの残高は前月比1.81兆円減の約37.60兆円にとどまった。前月比の減少率は4.6%のマイナスで、前の月(8.3%減)より小さかった。日銀によるETF買い入れで資金流入が続き、残高の落ち込みが限定的だったとみられる。

また、国内公募投資信託の本数は3月末時点で5997本と、前月比で18本減少した。6000本を割り込むのは、16年8月(5960本)以来3年7カ月ぶり。小規模な投信を中心に償還が増えたことが響いた。

3月は運用環境の悪化を受けて、近年資金を集めてきた複数の損失限定型ファンドで繰り上げ償還が決まった。実際の繰り上げ償還は4月以降だが、同じようなケースが増える可能性がある。新しいファンドの設定を中止したり延期したりする動きもあり、今後はファンド本数の減少傾向が続くことも考えられる。

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