英ロンドンを拠点に個人向けの金のオンライン取引を手掛けるブリオンボールトが2日、「顧客によって保有され保管されている金地金の総量が42.9トンとなり、評価額が24億ドル(約2560億円)で過去最高を記録した」と発表した。世界の多くの国で3月に新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐために都市封鎖(ロックダウン)などが起き、人々の移動・行動が制限される中で金需要が急増していたが、その後にロックダウンが解除されて株式市場で楽観ムードが高まった一方、「一般投資家は、セキュリティーの観点で分散投資をする必要性を強く感じていたようだ」という。また、「工業用途の需要が多く、しかもインフレヘッジでもある銀へもスポットライトを当てている」といい、同社の顧客が保管する銀地金総量は22.8%増の1023トンで過去最高記録を更新し、評価額も5億7900万ドル(620億円)に達した。
プラチナについても顧客の保有量が前月比47.4%増加して1.4トンとなり、評価額は3300万ドル(30億円)を記録したという。新型コロナを受けて一般投資家が金だけでなく、銀、プラチナへの投資を5月に積極化したことがうかがえた。(QUICK Market Eyes 片平正二)