ゴールドマン・サックスは11月11日付リポートで、S&P500種株価指数について2020年末に3700、21年末に4300、22年末に4600に達するとそれぞれ予想した。
米大統領選の結果、バイデン新政権が誕生する見込みだが、ゴールドマンは経済と市場にとって「ワクチンの方が重要」であると指摘。ファイザーの開発する新型コロナウイルスのワクチンの有効性が90%を超えたという報告を受け、「21年中に社会が徐々に正常化することを可能にする肯定的事象だ」との見方を示した。
米政治の行方については、21年1月5日に行われるジョージア州の上院決選投票の結果に左右されると指摘。その間、不確実性は高まるものの、「通商政策や規制政策のスタンスはトランプ政権とは異なる可能性があるものの、政府が分裂しても大きな法改正の余地はほとんどない」との見方も示されている。
S&P500の1株利益(EPS)について、21年に175ドル、22年に195ドルにまで成長すると予想。21年のEPSについては「コンセンサス予測の中央値である155ドルを13%上回る」とも補足している。
投資戦略については、「ワクチンと経済正常化から利益を得ることのできるディープ・バリュー株や長期的に成長が見込まれるグロース株、ESG(環境・社会・ガバナンス)の投資判断基準において有意なポジションにある株式にフォーカスする」とのアイデアも示された。
セクターは「情報技術」、「医療」、「産業」、「資本財」、「素材」分野でのオーバーウエートが推奨された。(QUICK Market Eyes 大野弘貴)
<金融用語>
EPSとは
EPSとは、Earnings Per Shareの略称で和訳は1株当たり利益。一株に対して最終的な当期利益(当期純利益)がいくらあるかを表す。 当期利益を発行株式数で割ったもの。