レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみワールド」と「ひふみワールド+」の純資産総額(残高)の合計が1000億円を超えた。3日時点の合計残高は1003億円。2019年10月に運用を始めた直販の「ワールド」は184億円、同12月に設定され幅広い金融機関で販売する「ワールド+」は818億円だった。
■設定来リターンは29%超
このシリーズ2本は海外の成長企業に投資するファンド。「ワールド」はレオスが投資家に直接販売し、「ワールド+」は証券会社や地方銀行など39社ほどが取り扱う。最近では大垣共立銀行やOKB証券、福島銀行などが販売会社に加わった。
設定から1年が経ち、「ひふみワールド」の設定来リターンは12月3日時点で29.44%と好成績を上げている。最新の月次レポートによると、10月30日時点で組み入れ銘柄は105で、現金比率は12.01%。地域別では米国への投資が6割近くを占める。組み入れ上位はアイルランドのコンサルティングサービス会社アクセンチュア(ACN)、米半導体のテキサス・インスツルメンツ(TXN)やザイリンクス(XLNX)などが並ぶ。
■「ひふみ」からは資金流出
11月の資金流入額(推計値)は「ワールド」が5億円の流入超と、5カ月連続で設定額が解約額を上回った。一方、「ワールド+」は資金流出額が6億円と、4カ月ぶりの流出超。2本の合計では4カ月ぶりに小幅の流出超だった。
主に国内株式で運用する同社の「ひふみ投信」や「ひふみプラス」からは資金流出が続いている。11月は2ファンド合わせて推計で300億円の資金が流出した。利益確定などを目的とした解約が続き、年初来の流出額累計は2000億円(推計値)を超える。
(QUICK資産運用研究所=西田玲子)