金融情報会社のQUICKは8日午後、「アフターコロナの資産運用ビジネス」と題したQUICK資産運用討論会を開いた。金融庁の井藤英樹・政策立案総括審議官が基調講演し、新型コロナウイルスの感染拡大で人々の行動様式が変化したのを受け「顧客や地域の再生に必要な業務を可能にするために銀行の業務範囲を見直すことが必要だ」と述べた。書面や押印、対面を前提とした金融業界の慣行の見直しを推進し「付加価値の高い産業構造を築くための金融システムを構築することが大事だ」と強調した。
金融商品を使った個人の資産運用については「リスクや手数料などが端的に理解できるような情報を提供することが重要だ」と指摘。その上で「リスクや手数料を比較できるよう各業者や商品ごとの共通の情報提供フォームを導入したい」と話した。
資産運用会社については、特に大手で「アクティブファンドの運用成績が不十分」との認識を示し、顧客本位の商品組成や効率的な運用を目指した取り組みを求めた。
■広がる資産運用サービス
また、ニッセイアセットマネジメントの上原秀信常務取締役、野村アセットマネジメントの千田聡執行役員、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の浜田直之副社長執行役員の3人がパネルディスカッションに登壇し、今後の資産運用ビジネスについて「対面とオンラインのどちらも重要になる」との認識で一致した。
ディスカッションでは、ロボアドバイザーなどオンラインでの個人資産運用サービスの利用が広がっている現状があるとの認識のもと「退職金など数千万円規模の投資はオンラインで(の支援)は難しく、対面での支援が必要になる」(野村アセットの千田氏)との声が聞かれた。ニッセイアセットの上原氏は「米国では多くの投資家が資産運用アドバイザーから助言を受けている」と述べ、合理的な投資に向けた対面での助言の必要性を強調した。
日本で上場投資信託(ETF)を除く投資信託の純資産総額が伸び悩んでいる現状については「富裕層への運用支援を強化することが市場の活性化につながる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の浜田氏)との指摘があった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕