【日経QUICKニュース(NQN)】金融情報会社QUICK(東京・中央)と連合総合生活開発研究所(東京・千代田)は20日、ESG(環境・社会・企業統治)のうち「社会(S)」分野での取り組み度合いを示す指標に関してオンラインでシンポジウムを開催した。13日に両社が共同で発表した新指標「日本版ディーセントワーク8指標(JD8)」をテーマに、企業や投資家を交えて議論した。
基調講演に臨んだ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長の宮園雅敬氏は、これまでESGの評価指標は改善傾向にあったものの、特に「社会(S)」については問題が人権やダイバーシティなど多岐にわたり、評価指標が定まっていなかったと指摘。JD8について、「日本固有の『社会(S)』の問題に焦点が絞られ、企業と投資家の双方に使いやすい指標」と評価した。
高崎経済大学の水口剛学長は、JD8の普及に期待を寄せ、「企業には(JD8の)趣旨を理解し取り組みを進めていただきたい。投資家には企業との対話のツールとして使っていただきたい」と話した。