2020年の国内公募投資信託は、年間の新規設定本数が310本にとどまり、前年の329本を下回った(図A)。投資信託協会のデータ(公社債投信含む)をもとにさかのぼれる1998年以降で最も少ない(QUICK資産運用研究所調べ)。新型コロナウイルス感染が世界的に広がり、春ごろに新規設定が見送られたことが影響した。
■5年連続の減少、設定額は増加
投資信託の新規設定本数は、5年連続で減少している。ピークとなった13年には890本だったのが、その後は減少傾向をたどり、ほぼ3分の1になった。新しい投信を次々設定して顧客に売りさばく「回転売買」の自粛などで減っていたところに、20年はコロナショックによる落ち込みが加わった。
一方、20年は当初設定額の合計(自己設定を除く)が前年よりも5割近く増え、1兆3792億円だった(図B)。15年(1兆9284億円)以来5年ぶりの高水準。アセットマネジメントOneが7月に設定した「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」が当初設定額で3830億円を集め、歴代2位の大型設定となった影響が大きい。
■4月に月次の過去最低更新
月ごとに振り返ると、新規設定本数が最も少なかったのは4月の7本(図C)。月次データでさかのぼれる97年6月以降の最低を更新した。コロナショックによる市場の混乱が続き、予定していた投信の設定を延期したり中止したりする動きがあった。年後半は回復傾向だった。
当初設定額の月別も4月が最も少なく、わずか4億円だった(図D)。7月は「未来の世界(ESG)」でグンと押し上げられ、6000億円を超えた。1本で1000億円を超すような大型設定はこれだけだった。
(QUICK資産運用研究所=西田玲子)