【QUICK Money World 村田 菜々子】中央大学附属高等学校で6月11日、高校生がカードゲームを通じて資産形成を学ぶ特別授業が開催されました。講師を担ったのは金融教育の専門家であるワイズ・アセット・デザインの山口曜一郎氏。普段の授業や生活ではなかなか触れる機会のない金融用語にとまどいながらも、生徒約40名が「お金を育てる」考え方を教わりました。
頭を抱え腹を抱え一喜一憂
授業はQUICKが開発したカードゲームで遊びながら資産の育て方を体感する実践パートと、ゲームに登場した用語解説を通じて資産形成の仕組みや考え方を解説する講義パートで行われました。ゲームのルールは簡単。各プレイヤーが自分の手番で引く「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。プレイヤーにできるのは、手元にある「株式」「投資信託」「現金」の3種類の資産の割合を調整することだけ。生徒たちは、先の見えない状況のなかで資産を成長させるためにはどうしたらいいか、試行錯誤しながらゲームに熱中、様々な経済イベントに一喜一憂していました。
ゲームの後はお勉強
一通りゲームを体験したあとの山口氏の講義「資産形成って何だろう?」では、保有資産のバランスや長期投資の重要性をゲームになぞらえて解説しました。投資信託を「小さなお菓子の詰め合わせ」と表現するなど、耳慣れない言葉を身近なものに例えながら説明。生徒たちからは「初めて聞く言葉が多くて難しく感じたが、丁寧な解説で理解できた」、「株にはギャンブル的なイメージがあったが、長く持ち続けると利益になりやすいことが分かった」などの声が聞かれ、「資産形成」に対するイメージが持てたようです。最後には応用編として、普段目にしているニュースや世界情勢が、いかにマーケットと深く密接に結びついているかを昨今の事例と併せて紹介しました。
※山口氏が保有資産のバランスや長期投資の重要性をゲームになぞらえて解説
講義を聞き資産の特性をしっかり理解したところで、4人ずつ10テーブルに分かれて、最後の勝負! 戦略を考える余裕ができた分、勝負は一段と白熱しました。あるテーブルでは収益性と安全性のバランスのとれた投資信託に人気が集中し、投資信託カードが山札からなくなってしまう事態に。土壇場での「日経平均最低」イベントで資産カードがわずか1枚になってしまったり、最後の1枚で「10倍株」イベントを引き当てて逆転を決めたりと、各テーブルでそれぞれのドラマが繰り広げられました。
資産形成を学ぶカードゲーム「資産形成王(仮)」のコンセプト
このカードゲームでは、資産形成で重視すべきポイントを遊びながら理解させることを目指しています。普段、積極的に考える機会を持ちづらい「おカネのこと」を自分ごととして捉え、意識するためのきっかけづくりにもなります。
イベントカードには「個人消費好調」「バブル発生」のような株価上昇に寄与するカード、「GDPマイナス成長」「未知の感染症拡大」のような株価を押し下げるカードが含まれます。資産として「株式」を持っていればイベントの影響をよくも悪くも大きく受けます。
「投資信託」は株式ほど変動は大きくなく、6ターン目以降でないと他の資産と交換できないなど流動性に乏しいですが、持ち続けることで「分配金」や「複利」などで収入を得られるチャンスがあります。「現金」は安全だが成長性もなく、持っているうまみの少ない資産ですが、手元になければ「税金」を引いた時など思わぬ痛手を被る場合があります。
カードの特性を通じて、資産によって異なる「収益性」「安全性」「流動性」などのポイントを理解し、未来に備えてリスクを抑えるための分散投資の手法を自然と学ぶことができます。
QUICKではカードゲームと解説講座を組み合わせた出張特別授業を不定期で実施しています。ご興味のある方はQUICK Money Worldのお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
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