【QUICK Money World 岩切 清司】金融教育の一環として資産形成を学ぶカードゲーム「資産形成王」を使った特別授業は今回、9月16日に東京都板橋区立志村第二小学校で実施しました。東京都が今年度から開始した「金融リテラシー向上のための講師派遣」事業においてQUICKとして初めての開催となりました。対象は5年生の3クラス、約85名。これまでは中学・高校・大学、そして社会人向けに特別授業を展開してきましたが、実は小学生向けは初めてだったんです。ゲームとはいえテーマは経済・金融・資産形成。盛り上がってくれるのか、少しでもためになる授業ができるのか、ドキドキしながらの授業開始でした。
「資産形成王」とは
このゲームのルールはいたってシンプル。各プレイヤーが自分の手番で引く経済に関する「イベントカード」が起こすさまざまな波乱を乗り越えて、10ターンの間に最も多く資産を増やした人が勝者となります。
増やす対象となる資産は「株式」「投資信託」「現金」の3種類。例えば「株価上昇」のカードを引いたら、手元に株券カードを持っていた場合だとさらに株券を1枚獲得できます。また「バブル崩壊」のカードを引くと手元のカードのうち、参加者全員を対象に、株券を1枚・投資信託を3枚と現金を残して全部没収されるというイベントも発生します。資産形成を孫から祖父母まで一緒に遊んで学ぶをコンセプトにQUICKが開発した金融教育の教材です。
言葉を知らなくても盛り上がる
授業の前に各テーブルにカードゲームを配っていると、子供たちから「あ、現金だー」という声がここかしこで聞こえてきました。改めて小学校5年生であってもお金に興味があるのだと実感しました。興味のないものを教えるのは大変ですが、興味があるのだから教えれば何かしら得てくれるかもしれない。金融教育を堅苦しく考える必要はないのかもしれないと思うと少し気持ちが軽くなりました。
ゲームの最初は知らない金融用語、少し難しい漢字に戸惑う様子もありました。しかし、進むにつれて資産カードが増減するとイベントカードの内容に一喜一憂。「投資信託、3枚ー!」と資産が増えたことを大喜びしていた子供たちもいました。多分、その子は投資信託がなんなのか知らない。それでもゲームを通して投資信託の存在を知ってくれたのであれば金融教育の一歩前進です。
資産形成王は1回あたり25分程度かかるゲームです。大人がやると30分以上かかることもありますが、20分もしないうちにゲームを終了する組がいくつかありました。自主的に2回目のゲームを始めるなど子供たちの飲み込みの早さには驚かされました。一番多く資産カードを得た人に手を挙げてもらった際、少し照れながらもうれしそうな表情の子供が多かったのが印象的でした。
15分ほどの講義では①お金ってナニ?②お金はどうやって手に入れる?③お金はどうやって増やす?の3つに絞って説明しました。①ではお金には交換、価値保存、価値尺度の3つの機能があることを解説。②ではお小遣いやお年玉を通してお父さんやお母さん、家族の労働から得た収入が元手になっていること、③は資産形成王で株券や投資信託を保有したことで現金が増えたことが資産形成であることを伝えました。お金を説明するって難しい・・・。
お金の大切さを知ってもらいたい
同校の高野康弘校長に今回の金融教育の授業の狙いや期待についてお聞きしました。
「小学生はお金の感覚もさることながら、世の中がどういう仕組みでお金を中心に動いているのかまったくといっていいほど分かっていないんです。せいぜいお小遣いやお年玉で自分の買いたいものが買えるか買えないかといった程度の理解。世の中が大きく動いている中で自分の手元にどうやってお金が届くのかを認識し、ご家族の仕事の大切さやお金の使い方を理解するだけで認識が変わってくれるとの期待があります。小学生でもお金のトラブルは起きます。そのお金がどれほど大切なのかを知るだけでも大きく違ってくると考えています。今回の授業は金融的な話の種をまくイメージを持っています」
授業が終わると子供から「(資産形成王は)売ってるんですか?」「もっとやりたかった!」と声をかけてもらいました。ゲームであっても金融や資産形成を少しでも身近に感じてもらえるようになったのであれば、資産形成王としては本望です!(残念ながら販売はしていません・・・)。これからも資産形成王は金融や資産形成の理解促進につながるよう貢献していきます!