【QUICK Money World 辰巳 華世】運用で損をするのは誰しも嫌です。しかし、時に予想に反して損失が発生することはあり得ます。では、そんな時どうしたら良いのでしょうか? 今回は、損が出た時の対応方法の一つである「損切り」について紹介します。損切りとは何かという基本から、損切りのコツやルール、メリットや注意点まで説明します。
損切りとは
投資における「損切り」は、例えば株価が予想に反して下落した場合に損失を最小限に抑えるために行う投資戦略の一つです。株式相場は常に動いています。予想しなかったことが起こって相場が急落し、思わぬ損失が発生することもあります。そのような時に、投資家が予想外の損失を最小限に抑えるために行う戦略の一つが損切りです。
大事な投資資金で買った株が下落し、損失が発生すれば誰しも不安で嫌な気持ちになります。ただ損切りは、思わぬ出来事で相場が急落したから不安で嫌だ、怖いといった瞬間的な感情で行うものではありません。冷静な判断のもとで行うべき戦略的な行動です。
まず大事なことは、株価が下落した原因を分析することです。例えば、相場全体が下落するような大きなショックの影響でつられて下げただけで、落ち着けば早期の回復が見込まれるのか。はたまた、下落の原因が致命的でしばらく株価低迷が予想されるのかなど、状況を冷静に判断する必要があります。
損切りをするのに大切なことは、自分の中でルールを決めておくことです。その第一歩として、自分が許容できる損失範囲はどれくらいかを把握しましょう。それが分かると、ここまで株価が下落したら損切りするというラインが見えてきます。損切りができずに持ち続けると、損失が膨らむ可能性があります。損切りの目的は、稼ぐためではなく、損失を最小限にすることです。
投資の世界では、予期せぬ出来事をきっかけに相場の動きが大きく変化します。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大など、今まで経験したことがない出来事をきっかけに世界中のマーケットが大きく動揺したことは記憶に新しいと思います。
相場が急落した時、不安や恐怖といった感情だけに左右されることなく、あらかじめ損切りラインを決めた自分のルールに則って冷静な判断をしていくことはとても大切になります。予期せぬ出来事を前に、常に正しい判断をしていくことはとても難しいですが、経験を通じて学んでいくことが必要です。
損切りのコツ
損切りは、損失を最小限に抑えるためにする投資戦略の一つです。ここでは、損切りのコツについて見てみましょう。
あらかじめルールを決めておく
損切りで大切なことの一つは、自分が許容できる損失の範囲を知ることです。投資資金がどの程度なら減っても大丈夫かを考えて、それを基に「株価がこれだけ下落したら株を手放す」などの損切りラインをあらかじめ決めておきましょう。事前に決めておくことで、その場の感情や根拠のない考えに惑わされず、冷静に判断することができます。
感情に左右されず、機械的に対応する
あらかじめ決めた損切りのルールは必ず守りましょう。損失が拡大してくると冷静さを失い、損失を確定させたくない、持ち続けていれば株価が再び上がるのでは、などの期待を持ってしまいがちです。しかし損切りをしっかりと行うことで、損失が確定してしまう一方、この後に述べるメリットも期待できます。自分で決めたルールを信じて、一時的な感情に左右されず計画的に行動しましょう。
継続的な学びと情報収集に生かす
投資の世界で常に100%勝ち続けることはとても難しいです。予期せぬ損失が発生することはどうしてもあり得ます。損失を膨らませないために損切りが避けられない場合もありますが、大切なのはそこから学ぶことです。損切り後は、損失が出た原因など状況を分析し、今後の投資活動に活かすことが重要です。
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損切りのメリット
損切りは損失を確定させる行為ですが、損切りすることで以下のようなメリットがあります。
損失の拡大を防止できる
損切りの目的は、損失を膨らませないことです。株価がどこまで下げるかを予想するのは専門家でも難しく、自分の想定以上に下落することもあり得ます。損切りできずにそのまま持ち続けると、損失が拡大することになります。ルールに従って損切りすることで、許容範囲内の損失で抑えることができます。
投資資金が残る
損切りすることで、ある程度の損失は発生しますが、投資資金もある程度残ります。損切りできずに含み損のある銘柄を持ち続けていると、その銘柄に投資している資金は他の運用に使うことができません。損切りすることで、手元に戻った投資資金で次の投資に臨むことができます。
節税につながる
損切りで損失が確定すると、確定申告で「節税」ができます。株式などを売却して損が出た場合、利益と損失を相殺できる「損益通算」と、損失を3年間繰り越してその間の利益と相殺できる「繰越控除」という特例を使うことができます。ただ、損切りによる節税効果は、損失を相殺できる程度の利益がある場合のみ発揮されるものです。
損切りの注意点
最後に、損切りの注意点について見てみましょう。
損切りをすると損失が確定してしまいます。そのため損切りをためらってしまい、「持ち続けていれば株価が戻るかも……」と希望を抱いて自分で決めた損切りルールを無視してしまうことがあります。損切りは戦略の一つなので、感情に左右されることなく、ルールに則った行動をすることが大切です。
また、安易なナンピン買いにも注意が必要です。ナンピン買いとは、保有する銘柄の株価が下落した時に、さらに買い増しをして平均取得単価を下げることです。平均取得単価を下げることで、株価が回復した時に利益を得られやすくなります。しかし、株価が上昇しなければ、ナンピン買いが仇となり、投資資金が増えた分、損失がさらに拡大する可能性もあります。安易なナンピン買いは避けた方が良いでしょう。ナンピン買いを検討するなら、株価の戻りが本当に期待できるのかを冷静に見極めることが大切です。
まとめ
損切りは、損失を最小限に抑えることを目的とした投資戦略の一つです。損切りではその場の感情に左右されることなく、あらかじめ決めた損切りラインなど自分のルールに則った行動をとることが大切です。
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