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ヘッジファンドとは何かわかりやすく解説! 投資すれば儲かる?

記事公開日 2024/11/13 16:40 最終更新日 2024/11/13 16:40 経済・ビジネス コラム・インタビュー 市場用語再点検 金融コラム

【QUICK Money World 荒木 朋】株式などマーケット関連のニュースで「ヘッジファンド」という言葉を聞いたことはありませんか? 「ファンド(投資信託)」とは「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」(投資信託協会)のことを指しますが、投資信託とヘッジファンドの違いは何のかといった点やヘッジファンドの特徴、ヘッジファンドのメリット・デメリットなどについて投資の初心者の方にも分かるように詳しく解説していきます。

ヘッジファンドとは?

ヘッジファンドとは、買いのみではなく売り(空売り)を活用したり、金融機関からの資金借り入れをテコに何倍もの取引を行うレバレッジの活用をしたりといった様々な取引手法を駆使し、相場が上がっても下がっても収益を追求することを目的としたファンド(投資信託)のことをいいます。投資対象は株式や債券といった伝統的資産に加え、先物やオプションなどの金融派生商品(デリバティブ)も対象とします。

マーケットニュースでは「海外ヘッジファンドが株価指数先物に買いを入れた…」などと主語として登場することがあります。この場合、ヘッジファンドは投資家から資金を預かり、様々な金融商品や取引手法を組み合わせて、市場動向に関わらず投資元本を増やすことを目指す、資産運用のプロ集団」という意味で使われています。

 

ヘッジファンドと投資信託の違いは?

ヘッジファンドと一般の投資信託(以下、投資信託)の違いは何なのでしょうか。大まかにいうと、①収益目標の違い、②成功報酬の有無、③投資金額の違い――などが挙げられます。

1つ目は「収益目標の違い」です。ヘッジファンドは先物やオプションといった金融派生商品(デリバティブ)、信用取引などを積極的に活用することで相場の上げ下げに関わらず利益を追求します。言い換えれば相場がどのような状況であっても「絶対収益」を目指すのがヘッジファンドの特徴です。

一方、投資信託は運用方法に制限があり、買いポジションのみで運用するロングオンリーなど、相場が一方向に動いた場合に収益を得る仕組みの金融商品がほとんどです。投資信託は通常、その金融商品の性質に合わせて運用の目安にしている指標(ベンチマーク)があります。国内株式では日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が代表的なベンチマークです。それぞれの投資信託は目標とするベンチマークを上回る運用成績を目指す「相対収益」を追求しています。仮にベンチマークが20%下落した場合、投資信託の下落率が20%以内にとどまれば、その投資信託は相対的に良好なパフォーマンスだったと評価されるのです。

2つ目は「成功報酬の有無」です。ヘッジファンドも投資信託も購入時手数料や投資信託を管理・運用する際の経費である管理報酬・信託報酬といった手数料がかかります。一方、収益が発生した場合、投資信託には収益に対する手数料は発生しませんが、絶対収益追求型のヘッジファンドには成功報酬という手数料が発生します。成功報酬は運用収益に対してかかる手数料であり、損失が出た場合の成功報酬はゼロです。手数料率はヘッジファンドによって様々ですが、一般的には20%程度を成功報酬としているケースが多いようです。

3つ目は「投資金額の違い」です。投資信託の場合は広く一般投資家に募集をかける「公募」の形式をとっており、商品にもよりますがネット証券などでは最低投資金額100円からの投資が可能となっています。一方、ヘッジファンドは投資顧問や金融機関などの機関投資家や年金基金、富裕層など限られた投資家を対象に募集をかける「私募」の形式をとっていることが多く、最低投資金額も数千万円から数億円といったように高く設定されているのが特徴です。

ヘッジファンドの投資手法を紹介!

ヘッジファンドは絶対収益追求型のファンドだと説明しました。それでは、ヘッジファンドはどのような投資手法で絶対収益を目指しているのでしょうか。代表的な投資手法を以下に紹介したいと思います。

まずは「株式ロング・ショート戦略」です。これはファンダメンタルズ分析などで割安と判断される銘柄を買い建て(=ロング)する一方、割高と判断される銘柄を信用取引などで売り建て(=ショート)する投資手法です。ショートを活用することで、株価の値下がり局面でも収益を獲得するチャンスが生まれます。同戦略は相場の局面に応じて買いと売りの比率をどちらかに傾けて運用し、収益獲得を目指します。株式ロング・ショート戦略を応用し、買い建てと同額の売り建てを行い収益獲得につなげる「株式マーケットニュートラル戦略」という投資手法もあります。

次に「イベント・ドブリン」です。企業の合併・買収(M&A)企業再建業務提携株価指数構成銘柄への組み入れ、不祥事の発生など企業の先行きや業績、株価を大きく左右するようなイベントに着目し、これらのイベントが発生する可能性のある銘柄を予想して売り買いのポジションをとる投資手法となります。

世界中の国・地域の政治的または経済的な出来事によって引き起こされる幅広い市場の変動から収益を得ようとするグローバル・マクロ戦略」という投資手法もあります。世界の株式、債券、通貨、商品、先物などあらゆる市場・金融商品を対象にロング・ショートを織り交ぜて収益獲得を狙います。

このほか、株式や債券、通貨、商品など関連する投資対象の金融市場におけるミスプライシング(時価が適正価値と乖離している状態)を見つけ、ロングとショートを駆使しながら価格の一時的な差異を利用して収益を得る「レラティブ・バリュー戦略」、互いに影響を及ぼさない複数の投資戦略を組み合わせて安定的な収益の獲得を目指す「マルチ・ストラテジー戦略」などがあります。

ヘッジファンドのメリットとは?

これまでヘッジファンドの特徴や投資手法などをみてきましたが、ヘッジファンドのメリットについて改めて確認しておきたいと思います。

ヘッジファンドの特徴は、買いだけでなく、空売りや先物・オプション取引なども活用し、相場が上昇局面でも下落局面でも収益を追求する点にあります。いくら優秀なファンドマネジャーが運用しても、仮にロングオンリーなどの投資信託では相場の下落局面で収益を獲得するのは至難の業といえます。その点、ヘッジファンドは市場環境が悪くても、その状況に応じて投資手法を駆使するため、収益の機会を得る可能性が高まります。

もう1つは、様々な投資手法を駆使するヘッジファンドは分散投資としても活用できる点です。分散投資とは通常、投資対象を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて好リターンを目指す投資手法をいいます。

投資信託における分散投資とは、株式の場合、日本株や欧米株、新興国株といったふうに投資対象国・地域を分散し、一般的には買いポジションの比率を組み替えて運用を行います。もっとも、仮に世界の経済大国である米国の景気が悪化すれば世界経済全体にその悪化が波及し、米国株が下落すれば日本を含むほかの株式市場にも悪影響を及ぼします。そのため、分散投資をしたとしても全体としてはマイナスの影響を受けることになります。

半面、ヘッジファンドは例えば、世界の経済状況や金融・株式市場の状況に応じてロング・ショートを織り交ぜて運用する「グローバル・マクロ戦略」を活用すれば、国・地域ごと、および金融商品ごとに売りと買いを行うことで、不安定な相場状況においてもリスク分散を図りながら収益の機会を得られる可能性があるというわけです。

 

ヘッジファンドは初心者におすすめ?

ヘッジファンドの特徴やメリットについて説明してきましたが、初心者にヘッジファンドはおすすめの商品といえるでしょうか。まず、先にも説明しましたが、一般的に20%程度とされる運用収益に対してかかる成功報酬の支払いや、数千万円から数億円とされる最低投資金額が必要になるため、初心者の中でも資金面に不安のある方には手を出しにくいファンドだといえます。

金銭面以外にもいくつかデメリットがあります。1つは「流動性リスク」です。ヘッジファンドは限られた投資家に募集をかける「私募」が多いため、株式や公募型の投資信託のように幅広く売買されているものではありません。また、投資機会が限られるのみならず、解約制限がついていたりするため、いざ売りたいと思ってもすぐに現金化できないのが通常です。

また、有価証券報告書で内容が開示される投資信託と違って、ヘッジファンドの運用情報は一般的に開示されません。商品の中身が非公開のため、投資対象や投資比率などを閲覧することができません。パフォーマンスの結果は把握できても、パフォーマンス分析に関わる判断材料が少ないのです。

情報開示の少なさとも関係しますが、ヘッジファンドはファンドマネジャーによる運用の自由度が高く、さらに絶対収益を追求するためレバレッジをかけた積極的な投資を行うことがあります。その運用がうまくいけば高い収益を得られるわけですが、反対に失敗すれば投資元本が大きく目減りしたり、下手をすればヘッジファンドそのものが破綻に追い込まれたりする可能性もあり得ます。

元本保証がないのは投資信託も同じですが、ヘッジファンドは1口当たりの投資金額が大きいだけに、リスクの大きさにはより注意する必要があるでしょう

初心者におすすめの投資信託とは?

最後に初心者におすすめの投資信託はどのようなものがあるか、いくつか紹介しておきます。

投資信託は、個人などから集めた資金を1つにまとめて、資産運用の専門家が商品の特性に応じて株式や債券などに投資し、運用成果を出資者に分配する金融商品です。自分の好みにあった商品を購入するだけで、あとは専門家に運用をお任せすることができます。また、投資初心者でも元手資金が少額でも気軽に始められるのが特徴です。

投資信託協会によると、公募型の投資信託は約6000本あります。6000本の中から自分の好みの商品を選ぶのは大変という方は、「NISA(少額投資非課税制度)」の対象商品を選ぶのがおすすめの1つです。NISAは、無期限で投資利益が非課税になる制度です。つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠があり、投資できる商品や上限額がそれぞれ定められています。つみたて投資枠の対象商品は金融庁が指定した300本(2024年11月時点)になります。つみたて投資枠の対象商品は「長期・積立・分散投資」に適したものが選定されているため、投資初心者の方に始めやすいでしょう。

投資信託には購入時手数料のほか、投資信託を管理・運用する際の経費である信託報酬という手数料もかかります。つみたてNISAの対象商品の中でも、手数料が気になる方は信託報酬が最安値クラスの商品を選ぶのもいいでしょう。投資対象別では、日経平均株価などインデックスの値動きとの連動を目指し、リスクやコスト抑制が可能なインデックス型、日本を含む全世界の株式に分散投資し、世界経済の成長の恩恵を受けることが可能な全世界株式型、国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)など複数の資産に1本で投資できるバランス型などがあり、自分自身の好みやリスク許容度に応じてこれらの商品を組み合わせて投資することも考えてみてはいかがでしょうか。

「投資信託」については、以下のページで詳しく紹介しています。

資産形成を20代から始めるメリットとは? 成功のポイントを解説(資産形成イロハのイ)

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まとめ

ヘッジファンドとは、様々な取引手法を駆使して相場が上がっても下がっても収益を追求することを目的としたファンド(投資信託)のことをいいます。運用指標となるベンチマークに対して相対収益を目指す一般的な投資信託と違い、相場のあらゆる局面で絶対収益を目指すヘッジファンドは運用がうまくいけば高い収益をあげられる可能性があります。ただ、高いレバレッジをかけるなど様々なリスクが内在するほか、多額の投資金額や運用収益に対する高い手数料(成功報酬)の支払いなど膨大な費用がかかるのも特徴です。資金面で不安要素がある投資初心者の方はまず、一般的な投資信託から始めてみてはいかがでしょうか。

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著者名

QUICK Money World 荒木 朋

1998年にQUICKに入社。2003年から11年間、日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)で記者職に就く。0609年にNQNニューヨーク支局に駐在。1820年はQUICKロンドン支店に赴任。08年のリーマンショック、20年のBrexitはいずれも現地で取材した。QUICK退社後、ボクシングトレーナーとして働く傍ら、21年から「QUICK Money World」に寄稿。


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