三菱UFJアセットマネジメントが運用する「ワールド・リート・オープン(毎月決算型)」の純資産総額(残高)が1000億円を割り込んだ。14日時点の残高は994億円。国内外の株式相場が急落した2024年8月6日に残高1000億円を割り込んだ以降は1000億円台を回復していたが、約5カ月ぶりに再び節目を割り込むこととなった。
同ファンドは04年7月に設定し、運用実績が20年を超える長寿ファンド。世界各国の不動産投資信託(REIT)に投資する。24年11月末時点の月次リポートによると、投資国別の組み入れ比率は米国が7割超で首位。物件の用途別では、1位が小売り(18.3%)で、2位が住宅(15.8%)だった。
高い分配金の支払いで人気を集め、15年3月24日には最大で6643億円まで残高が膨らんだが、分配金の減額に伴い資金流出傾向が続いている。14日時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は11.8%とプラスだったものの、直近1年間で114億円(推計値)の資金が流出している。
残高の大きい海外REIT型(QUICK独自の分類)の多くは、かつて高い分配金の払い出しで人気を博した毎月分配型。分配金支払いのため元本を払い戻す場合もあり、複利効果を得ながら長期で資産形成を目指す投資家層からは支持を得にくい。長期投資を前提とする新NISA(少額投資非課税制度)では毎月分配型が投資対象外となったこともあり、24年1月の制度開始以降は資金流出が続くファンドが目立つ。